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子育て支援は2050年の日本を元気にする活動 株式会社ミライLabo 代表取締役 白井智子さん

株式会社ミライLabo 代表取締役 白井智子さん
株式会社ミライLabo 代表取締役 白井智子さん


一児の母。幼少期に難病を経験、高校卒業後リゾートホテルに就職し、経営企画室に配属、マナー講師として全国を飛び回る。2010年結婚、2012年出産を期に退職。専業主婦に転身するも孤独な子育てに育児ノイローゼを経験。ウエディング会社を経て、2014年2月青山にて親子カフェをオープン(現在は他の方が引き継いで営業中)。現在は株式会社ミライLabo代表。


子供をみんなで育てる「0歳から100歳までの秘密基地」

ミライ Laboはどんなスペースですか?

白井さん: 子供が自由に走り回って遊べる室内遊び場です。渋谷にあるビルの1階ですが、76平方メートルと広々としたスペースに人工芝を敷き詰めてあるので、ピクニック気分で過ごしていただけます。遊び場として訪れる親子を中心に、子供を遊ばせながらノートパソコンを広げて仕事をするママもいますし、小学生が放課後に子供だけで遊びに来ることもあります。

利用者は親子以外も多いのですか?

白井さん: ミライ Laboは、昔の日本ではいろいろな世代の大人達が子供を育てていたように「子供は本来みんなで育てるもの」という考えのもと「0歳から100歳までの秘密基地」と謳ってます。現在の利用者は0歳から87歳まで、小学生や大学生もいます。意外と多いのは未婚の方。自分の子供はいないけれど「子供と遊びたい」と言って来ている方もいます。「この場所を作ってくれてありがとう」と言っていただけるとやはり嬉しいですね。

いろいろな世代の人が集まることで、どんないいことがありますか?

白井さん: 人間の一番の成長のエネルギーは、自分より少し上の先輩、お兄さんお姉さんが楽しくしている姿を見ることだと思っています。例えば赤ちゃんは上手に歩ける幼児を、幼児は「小学生みたいに字が書けるようになりたい」と憧れることが成長につながります。そこに大学生がいて、独身の方がいて、ママがいて、子育てを卒業した方がいてと、自分の少し先輩に間近に接すると「頑張ろう」と思えるんじゃないでしょうか。
それに、大学生達は体力がありますから、子供と一緒に走り回って遊んでくれます。彼・彼女達が遊んでくれると、ママ達は本当に助かるんですよ。
2050年には日本人の4人に1人が65歳以上になるというデータがあります。これから出産を迎える世代の人達に「子供を産みたい」「子供を育てるって楽しいかも」と思ってもらわない限りは人口は増えません。ミライLaboでは「2050年の日本を明るく元気にしよう」という目標を掲げていますが、社会に出る前の子供や学生に、子育てのいい面も悪い面も見て欲しい。そして「子供はみんなで育てると、とても楽しい」と感じて欲しいと思っています。


76平米の室内遊び場
76平米の室内遊び場。ピクニックをするように、のびのびと過ごせる場を作りたいと人工芝を敷きつめた


子供が子供らしくいられる場所が必要

活動を始めたきっかけは?

白井さん: 最初のきっかけは、渋谷の表参道にあった「こどもの城」が閉鎖になった時「誰かが建て直してくれたらいいのにね」と子供に言ったら「じゃあママが作ってよ」と言われたことです。「そうか、その手もあるか」と思いました。
当時、私は青山で親子カフェを経営していました。親子カフェではママと赤ちゃんはリラックスできますが、3歳前後から子どもは動きが活発になり走り回りたくなります。でも、私達が住んでいる渋谷の街中には走り回って遊べるような場所はありません。気がつくと私も息子に「走っちゃダメ」「大きな声で笑っちゃダメ」とダメばかり言っていました。自分の子供のためにも、子供が子供らしくいられる場所が必要だと思ったのです。


思い立って、すぐに行動に移したのですか?

白井さん: 実は、私は幼少期に大きな病気をしていて「大人になれるかどうかわからない」と言われていました。そのため、子供の頃から「やりたい!」と思ったらすぐやらないと、生きている間に合わないかも知れないという気持ちを常に持っています。
ミライLaboの立ち上げのことを「どうやったら最短で、今からできることは何だろう」と会う人会う人に話したら、大勢の人が協力してくれました。スタッフや協力者が人工芝を敷いたり、壁を塗ったりと参加してくれたので、私はみんなに「作ってもらった」という意識があります。


のびのびと子育てをするために自然豊かな場所に家族で移住する、という選択肢もあったと思いますが、都会に自分たちでミライLabo作ったのはなぜですか?

白井さん: もともと私には自分の子供と、他人の子供を区別するという考えがないんです。ここへ来る子供はみんな「うちの子」と呼んでいるんですが「うちの子」みんなが、のびのびと育つためには、今いる場所に自由に身体を動かして遊べ、いろんな世代や立場の人と交流できる場所を作った方がいいと考えました。
ここでは、子供に「走っちゃダメ」は言いません。とにかくたくさん走って遊んでもらいたい。曜日によって「お絵かきの日」「アートの日」「英語の日」「運動の日」などのテーマはありますが、子供に対して「これをやりなさい」という指示は一切出さないことにしています。「自由に、何でもしていいよ」と声をかけて、子供の中からわき上がる想像力やワクワクした気持ちで動ける本来の子供らしさを大切にしています。


「身体を動かしてたっぷり遊ぶと夜もぐっすり寝てくれるんですよ」白井さんのお子さんが得意の逆立ちを披露してくれた


他にはどんな活動をしていますか?

白井さん:「これから結婚出産をする世代に「子育てを身近に」という活動をしています。オープン当初から女子大生達への相談や講演を続けていて、ミッションの”2050年の日本を元気にする”は、「すでに生まれている子供達と、これから生まれてくる子供達」を対象にしています。母子をメインにしつつ、大学生から80代の方が利用するミライLaboでは、年齢はもちろん、あらゆるボーダーをなくすことが私たちのポリシーなんです。サークルなどで利用する学生からは料金をとらず、その代わりに子どもたちと遊んでもらい「子育てを身近」に感じてもらっています。


白井さんの活動はこれからどんな方向に進んでいくのでしょうか?

白井さん:大学生など若い人達が「ママになっても自分のやりたいことを追いかけられるんだ」と、子育てを前向きにとらえてくれると「未来は明るい」と思います。
今の積み重ねが未来に繋がっていくので、子供が今を笑顔で過ごせるように。そのためにはまずママ達に笑顔になってもらいたいと考えています。


ミライLabo
http://mirai-labo8.com/