とうきょう子育てスイッチ 共育者インタビュー

「やれるときに、やれる人で」も良いけど、「やれるときを作ろう!やれる人を増やそう!」で!
橋 謙太(はしけんた)さん

プロフィール
橋 謙太(はしけんた)さん

NPO法人ファザーリング・ジャパン「メインマンプロジェクト」リーダー。中1、小4の父。
「いなちち(稲城 父親の会)」事務局、稲城市男女共同参画計画推進協議会 副会長、稲城市立城山小学校 「熱血組!(親父の会)」代表などを兼務しながら、地域の子育て支援で熱く活動中。長女が発達障害を抱えていることをきっかけに、2015年に発達障害児を支援する「メインマンプロジェクト」を立ち上げた。

地域活動のきっかけは、保育園保護者会

地域活動を始めるきっかけは、長女の保育園入園。うちは共働きなので、もともと育児も家事もワークシェアをしようという考えでした。だから、保育園の保護者会も夫婦二人で参加し、夫婦で1つの役員を担当しました。

現在、いちばん楽しく活動しているのは小学校の父親有志が運営している「熱血組!」です。私が代表になって、まずやったことが、「親父の会」から「熱血組!」へ名称を変更することでした。「父」の字を取って、お母さんたちにもどんどん参加してほしいからです。PTAは平日開催なので、学校に関わりたくてもワーキングマザーはなかなか参加できない。でも土日の活動が中心の「熱血組!」なら参加できます。今は40名くらいのメンバーで、月1回程度イベントをやっています。

活動のベースにあるのは「子供のため」

親父の会はともすれば、「親父が飲めればいい」会に陥りがちですが、それは違うと思います。
あくまでもベースは子供たち。1番大事なのは自分の子、2番目は会員の子供たち、3番目は学校の子供たち、4番目は市の子供たち。という考えのもと、「子供と一緒」を原則に「いなちち」も「熱血組!」も活動しています。
「熱血組!」で市のマラソン大会に参加するときも、父親だけでなく、子供チームも作ります。大会1カ月前から毎週末、親子で練習し、大会後の打ち上げも子連れ。

打ち上げは公民館の30畳くらいの座敷で行いますが、最近は大人よりも子供のほうが多いんです。歓談している大人たちの周りで、子供たちが押し入れに入ったり、駆け回ったりしながら遊ぶ。自分が子供の頃、親戚が集まったときに、いとこたちと遊んだ光景と重なります。今の時代はそういう機会が少ないので、子供にとっても貴重な体験ですよね。

活動は家庭優先が原則

そして、家庭優先も原則。地域活動を理由に、家事・育児をおろそかにしないこと。
「熱血組!」の規約には、「母チャンの機嫌を損ねないよう細心の注意を払い、行事、定例会等に参加する事。また、それによって家事、育児を疎かにしない事」というのがあり、メンバーには「できるだけ定例会には、家のことを済ませてから出席してください」と声がけしています。家事も育児もすませてから出てこなきゃいけないので、忙しいですよ~(笑)。
また、次回が2回目になりますが、マザーズデイというイベントもはじめました。
その日は、父子で朝食作りと家事を済ませてから10時に集まる。集まったらみんなで買い物に行き、公民館で昼食と夕食を作り、宿題をやって、遊んで過ごす。そして作った夕食を持ち帰り、1日フリーだったお母さんと各家庭で食卓を囲むというものです。

参加がきっかけで、料理をするようになったお父さんもいましたよ。

平日の子供の姿を見に行こう!

あくまで家庭優先ですが、多くの親父の会が言うように「やれるときに、やれる人で」というのは、受け身な姿勢なので、もうひと頑張りしようよ!と思っています。
そこから、もう一歩踏み出して、「やれるときを作ろう!やれる人を増やそう!」が理想です。そうでないと、人も社会も変わっていかないから。
だから、お父さんたちには、「仕事を休んで、学校の子供の姿を見て」とも言っています。
365日のうち、2~3日休んで学校の保護者会やイベント等に行ってもいいんじゃないかな、と。会社の仕事はもちろん大切だけど、1日学校に行って子供の姿を見ることって、とっても貴重な体験で意味があるんですよね。

お父さんに限らず、お母さんにも、平日の教室をのぞいてみてほしい。土曜日の授業参観の子供の顔と平日の顔は違うから。子供の日常生活は学校。子供たちを知るために、普段の姿をぜひ見て欲しいと思います。

発達障害の理解を広げる活動へ

娘の通っていた小学校の親父の会の定例会では、持ち回りで最初の30分間、メンバーの1人が自分の得意分野でミニセミナーを行っていました。
私は娘が発達障害なので、そこで発達障害の話をしました。そうしたら、周りの仲間の父親の娘への関わり方が変わったので、情報発信することは意味のあることでした。
メインマンプロジェクトの発想はそこからきています。
周りの大人は、発達障害をもつ子供たちに関わりたくても、どう関わったらいいのかわからない。だから、距離をおいてしまう。
メインマンプロジェクトは発達障害児の親や、発達障害児がいる家族を支援したいという志をもった人たちが集まっています。そこで共有したものを地域にフィードバックしていくにはどうしたらよいか!目下、みんなと思案中です。

地域に見守られて育つことが理想


いなぎ城: 「いなちち」の一大イベント「攻略!いなぎ城」。忍者に扮した市内の親父80人がやるフォールドアスレチック。2015年は1200人の参加あり!

数カ月に1度行うメインマンカフェでは、メンバーが講師になって発達障害について語ります。今のところは首都圏中心ですが、今後、首都圏以外の地区でもやっていきたいと思っています。
理想は、地域の人たちが発達障害を理解し、関わろうとしてくれる中で、子供たちが育っていくこと。

発達障害に限ったことではないのですが、当事者でない人が、いかに理解してくれるかが大事なんです。

 


小学校で読み聞かせ。読み聞かせ暦6年以上。一度やったら止められない。

 


地域の祭りでは、ポップコーン販売、お菓子釣り、フルーツポンチ販売等々。地域の子供達に親しく声をかけてもらえるのが、とっても嬉しい。


メインマンプロジェクトでは、隔月でお父さん達(お母さんも可)が集まる「メインマンカフェ」を実施。勉強会や情報交換を行っている。