とうきょう子育てスイッチ 共育者インタビュー

NPO法人 彩結び

プロフィール
NPO法人 彩結び

プロフィール(右から)
赤星裕美さん
 愛知県出身。千葉大教育学部卒。㈱リクルートスタッフィングなどでキャリア支援に従事した後、NPO法人彩結び共同代表・理事・事務局長として活動。北区コミュニティビジネス意見交換委員。北区産業化ビジョン策定委員会 創業・企業部会委員。ファイナンシャルプランナー。2児のママ。

佐野愛子さん
 沖縄県出身。千葉大教育学部卒。民間企業で営業職として勤め、出産後青山の授乳服ショップでの子連れ出勤を経験。NPO法人彩結び共同代表・理事・イベント事業部長として活動。産前産後ママのためのボディケア&ワーク講師。1児のママ。

高畑麻純さん
 埼玉県出身。国際基督教大学教養学部教育学科卒。㈱リクルートスタッフィングで営業職を経験、社会人経験を経て服部栄養専門学校で栄養士資格を取得。NPO法人彩結び共同代表・理事長・いろむすびcafe店長。食育インストラクター。


JR赤羽駅から徒歩10分、JR東日本グループが運営を行う保育所と高齢者福祉施設を取り入れた複合施設「コトニア赤羽」。その施設内にある多世代交流のコミュニティカフェ「いろむすびcafe」は、女性3名が理事を務めるNPO法人彩結びが運営を行っています。立ち上げのきっかけやカフェの様子などを、子育て中の共同代表の赤星裕美さんと佐野愛子さんにお話を伺いました。
※取材当日、高畑さんは欠席

気の合う友人の集まりから、「ママの個性」を応援する団体を設立

-3人の出会いを教えてください。
赤星:私と佐野は大学時代の同級生で、高畑とは新卒入社した会社の同期でした。佐野と高畑が会ったらきっと気が合うなと前から思っていて、結婚式の2次会の幹事を二人に頼んだこともありました。私は女性のキャリアを応援する仕事をしていましたが、自分に子供が生まれてみると、女性が育児をしながら働くことの困難さにぶつかりました。その中、2011年3月に東日本大震災が起こり、第二子の育児休暇復帰が4月に控えていたのですが、働き方を変えようと退職し、子供がいても柔軟に働ける場を模索しました。


佐野:最初3人で集まった時は、自分達の仕事や生活、趣味などを話していたのですが、いつも時間が足りなくなるので、2週間に1回の定例会にしました。女性を取り巻く社会や、子供達の育ちの環境などが話題に上がり、話し合いを重ねて分かったことは「3人3様の考え方があること」。私達は、得意分野も個性もそれぞれ違う。お互いの違いを理解し、その人のいいところ、得意なところを伸ばして今の社会課題を解決したいと、2012年任意団体として彩結びを始めました。


個々の活動と人のご縁が実を結び、コトニア赤羽に多世代交流カフェ「いろむすびcafe」をオープン

-任意団体での活動からカフェオープンに繋がった経緯を教えてください。
赤星:任意団体時代は、親子向け講座や収穫体験ツアー、赤ちゃんが安心して食べられる国産無農薬野菜を使用したベビー蒸しパンの開発などを行ってきました。いつも会場を間借りしてイベントの開催を行っていたので、団体専用の場所が欲しいねという話をしていたところ、タイミングというのは本当にあるんだという出来事がありました。


佐野:私が子連れ出勤でお世話になっていた勤務先で偶然お会いした方に「JR東日本が新規施設でコミュニティカフェを作ろうとしていて、イベントと飲食のできる団体を探している」という話を聞きました。私達の団体のことと活動拠点を探していることをお話しすると、明日JR東日本の方と面談があるから一緒に行こうとお誘いを受け、翌日、一緒にJR東日本の方にお会いしに行きました。


赤星:その後、プレゼン等を経てお話をお聞きした約半年後の2015年春、カフェは、家族をはじめたくさんの方のご協力あってオープンできました。この話が進んだのも、団体でママ向けのイベントを開催していたこと、佐野が青山の授乳服ショップに子連れ出勤していたことや、阿佐ヶ谷にある親子カフェで骨盤ストレッチの講師をしていたこと、高畑が毎週1回カフェ店長をしていた実績などがJR東日本の方に認められたからです。この時ほど人とのご縁の大切さを強く感じたことはありません。彩結びは、カフェを軸にさらに活動を広げていこうと、カフェオープン時の2015年にNPO団体になりました。



彩結びの活動は、みんなで作り上げる「協創」を軸にしている。「この場をみんなでよいものにしたい。意見交換は活発に」(赤星さん)


いろむすびカフェの様子を教えてください。

赤星:いろむすびカフェ(以下カフェ)は、団体が掲げる「自分の彩(いろ=得意分野)を知る機会をつくり、様々な彩と彩を結ぶことで、一人ひとりが持つそれぞれの課題を解決すること」を目指す場として「0歳から100歳までが輝ける場」をコンセプトにしています。カフェでは、無農薬、有機栽培、生産者さんの顔がみえる食材などを使った食事の提供、子連れで参加できるさまざまなイベント開催や、手作り作品の展示販売「いろどりbox」の設置などを行っています。カフェの一番の特長は、ほとんどのスタッフが子連れ出勤で働いていること。子連れのお客様も多く「今まで地域に子連れでゆっくりと食事ができる場所がなかったので、とても助かっている」という声もいただいています。


佐野:カフェスタッフの子連れ出勤スタイルは、大人一人が子供二人を保育し、もう一人の大人が単身で働く「ペアワーク」と子供を抱っこやおんぶしながら働く「カンガルーワーク」を取り入れています。ペアワークによって、単身で集中して仕事に取り組める時間が取れることと、保育側も自分の子供以外の子供と接し、子供が複数でもお世話ができるなどの体験ができます。現在約40名のカフェスタッフがいますが、ペアワークで、2倍の人材が必要なことや、子供や家族の急な病気などへの対応などで、シフト調整はいつも気を使います。この子連れ出勤が、ママと子供1対1の育児から、一歩踏み出すきっかけになっているようです。また、開店当初からのスタッフ達が妊娠ラッシュを迎えています。カフェでいろいろな子供を見ることや子供がお世話になることで、もう一人生んでみたいという気持ちも生まれているようです。


赤星:自分の子供もスタッフ、お客様のお子さんみんなが大きな家族のように過ごせる場になってきました。お姉ちゃん、お兄ちゃんは小さい子のお世話が大好きで、小さい子もお姉ちゃん、お兄ちゃん達と遊ぶのが大好き。子供同士の関係も、豊かに育まれています。スタッフも同じ子育て期のお母さん同士であったり、少し大きなお子さんを持つお母さんに気軽に育児相談ができることなど、みんなで子供達の育児をしている安心感を持って仕事に取り組んでいます。最近はシニアのお客様も増え、ボランティアスタッフに男性が加わるなど多世代交流の場へと広がりを見せています。


いろむすびcaféの入り口

いろむすびcaféの入り口はベビーカーがスムーズに入れるようにフラットになっている。カフェは「テーブル席」と「座卓スペース」を用意。授乳スペースやキッズスペースもあり、赤ちゃん連れの親子にやさしいお店だ


まかないランチ中

スタッフのまかないランチ中。お店の終わりまで勤務すると夜ご飯のおかずのお持ち帰りができる。
「仕事をした後に夕ご飯を作るのは、お母さんも大変。私もとても助かっています」(佐野さん)


子連れでの商店街の空き店舗調査、いろどりイベントに力を入れたい

-今後の展開を教えてください。
佐野:今までは講師の方がやりたいことを表現できる場としてカフェを提供してきました。これから「いろどりイベント~人生を毎日を豊かに」を始めます。これはイベントを色ごとに8色に分け、参加者には「いろどりカルテ」を作成してもらい、こちらに自分の強みや課題を円形チャートに表すことで、自分の生活や人生が彩り豊かになることが分かるものです。いろどりイベントが講師デビューのきっかけや、参加者が自分の強みを理解して、動き出すお手伝いになればと思っています。

赤星:北区からの受託事業で子連れでの商店街の空き店舗調査を行うことになりました。地域の空き家問題にママ達の力を活かせることがうれしいですね。銀座プランタンだった場所がマロニエゲート2としてリニューアルオープンし、オープニングの3/15-3/20にいろむすびcafeが臨時出店しました。

http://ginza2.marronniergate.com/shopinfo/event/170314_marronnier/

ママ達が自分の“彩”を活かした活躍ができる場を、これからも広げていきたいです。


HP:NPO法人彩結び http://www.iromusubi.com/support/

いろむすびカフェ www.iromusubi.com