良質なおもちゃで遊べる・学べる「おもちゃの広場」

認定NPO法人 芸術と遊び創造協会(新宿区)

認定NPO法人 芸術と遊び創造協会 子育て支援事業部部長、東京おもちゃ美術館副館長 石井今日子


プロフィール

認定NPO法人 芸術と遊び創造協会 子育て支援事業部部長、東京おもちゃ美術館副館長 石井今日子
幼稚園、保育園、子育て支援センター勤務を経て、東京おもちゃ美術館立ち上げ、赤ちゃん木育ひろば運営に携わる。おもちゃコンサルタントの入院児の遊びボランティア、子育てサロン「おもちゃの広場」「赤ちゃん木育寺子屋」開催。NPOと企業のコラボにより、無印良品店舗にて「木育広場」を展開中。Eテレ「まいにちスクスク」出演。二男の母。

親子に良質なおもちゃを

芸術と遊び創造協会ではおもちゃ美術館をはじめさまざまな活動を展開していますが、「おもちゃの広場」はどのような理由から開催されるようになったのでしょうか。

東京おもちゃ美術館を始めてから10年になりますが、実はそれ以前から中野区に旧おもちゃ美術館がありました。その頃は私も自分の子育て中で、旧おもちゃ美術館には子供と一緒に何度も通いました。しかしお母さんたちの中には、遠くてなかなか来ることができない人もいます。どこに住んでいてもおもちゃ美術館にある良質なおもちゃに触れられる機会があれば良いのにな、と思いました。そこで子育て中の親子に遊びのヒントやエッセンスを伝えられるような子育て支援の場所、つまりミニおもちゃ美術館のような場所を各地に作ろうと思ったのがきっかけです。中野におもちゃ美術館があった頃からおもちゃの広場を始めましたので、もう14年になります。

全国各地で活躍するおもちゃコンサルタント

おもちゃの広場の運営について教えてください。

芸術と遊び創造協会では、おもちゃコンサルタント養成講座を年に2回開講しています。講座を卒業したおもちゃコンサルタントたちが現在は全国に4500人いますが、その中には取得した資格を活かして地域で子育て支援活動をしたいという熱い思いを持った人たちがたくさんいます。
そのような思いを持ったおもちゃコンサルタントに協会が揃えたおもちゃのセットを宅急便で送ります。届いたおもちゃを使っておもちゃコンサルタントが自宅や地域の公民館・幼稚園・保育園の空き教室などでおもちゃの広場を開催します。そして自分の広場が終わったら、別のおもちゃコンサルタントに宅急便で送ります。1人のおもちゃコンサルタントは年に4回おもちゃを借りられるので、それぞれ1回ずつ、少なくとも年に4回以上は広場を開催することになります。
現在おもちゃのセットが16個ありますので、地方ごとでグループになってもらい、順番に貸し借りできるシステムにしています。

おもちゃの広場では具体的にどのような活動が行われているのでしょうか。

活動内容はそれぞれのおもちゃコンサルタントが自由に決めています。
例えば豊島区で活動しているおもちゃコンサルタントの小野さんは、ママ向けのワークショップを一緒に開催しています。
他のコンサルタントも活動内容はさまざまで、おもちゃを作るワークショップをする人もいれば、壊れたおもちゃを修理するおもちゃドクターとして活動している人もいます。もちろん、特化した活動はせずにいつ来てもいつ帰ってもいいおもちゃの広場を開催している人もいます。時間が決まっていないおもちゃの広場は、小さい子供がいるお母さんにとっては負担が少なく通いやすいという利点があるからです。
このようにおもちゃコンサルタントがそれぞれ工夫しながら活動をしていますが、一つだけ皆さんにお願いしていることがあります。それは自分の知り合いなどに限定して開催するのではなく、地域の人が誰でも来られるようにするということです。子育て支援が目的なので、知らない人同士がおもちゃによって繋がり合えるということを大切にしています。

多岐にわたる子育て支援をしている小野さん
豊島区でおもちゃの広場やファミリーサポートなど、多岐にわたる子育て支援をしている小野さん。


豊島区区民ひろば南大塚で開催しているおもちゃの広場に遊びにきたママたち
小野さんが豊島区区民ひろば南大塚で開催しているおもちゃの広場に遊びにきたママたち。この日はみんなでガーランドを製作している。子供を皆で見守りつつ、ママも楽しい時間が過ごせる。


コミュニケーションツールとして有効なおもちゃ「グッド・トイ」

どのようなおもちゃが広場で使われていますか?

おもちゃの広場で使うのはグッド・トイとして選ばれた成長発達に必要なベーシックなおもちゃです。先ほど11ヶ月の男の子が卵のおもちゃを転がしてハイハイで追いかける遊びをしていました。今ハイハイがとても楽しい時期で、卵のおもちゃはその発達段階にぴったりのおもちゃですね。男の子は15分ほど遊んでいましたが、そのように集中して遊べるということがとても大切です。それを見てもう少し月齢の小さい子がまねして遊び始めましたが、お互い刺激し合って成長できるのも広場の良いところですね。

黄色い卵のおもちゃを転がしてハイハイで追いかける男の子
黄色い卵のおもちゃを転がしてハイハイで追いかける男の子。卵があちこちに転がるのでなかなかつかまえられないのが楽しくて、夢中になって遊んでいる。


グッド・トイについて詳しく教えてください。

全国のおもちゃコンサルタントが実際に現場で使ってみて良かったおもちゃを推薦し、選考委員による選考会や全国のおもちゃコンサルタントによる投票を経て、グッド・トイとして毎年50点ほど選出します。選考委員は自分の現場を持っているおもちゃコンサルタント・高齢者施設に勤めている人・保育系大学の先生などから構成され、自分たちのフィールドでいかに活用できるかという視点で選んでいます。流行のおもちゃや知育おもちゃなど、これで遊んだらこんなことができるようになるといった効果を狙ったおもちゃではなく、コミュニケーションツールとして有効であることが一つの基準です。例えば「誰もが遊びやすい」「一緒に遊ぶと会話が増える」「デザイン的に優れていて大人も楽しめる」ものになります。つまり良質なおもちゃは会話を引き出せるので、そこで出会った人たちと繋がるきっかけになるのです。

広場で使われているおもちゃ
広場で使われているおもちゃ。デザインがシンプルで美しい。良質なおもちゃは大人が見ても「いいな」と思える。


良質なおもちゃにはどのような魅力がありますか。

芸術的に美しいおもちゃは子供の好奇心を刺激するので、子供はすぐに手に取って遊び始めます。さらに少ないアクションで「おもしろい!すごい!」という感情を引き出すことができるので、「自分でこんなにすごいものを作れた!」という子供の自信に繋がります。
そしてお母さんたちにとっても、おもちゃで遊ぶワクワクドキドキや美しいもの、楽しいものを子供に与えられることで、自分の子育てに自信がつくのではないかと思います。子育ては「つらい」「大変だ」ではなく「私の心の宝物だ」と思えるような楽しい経験をお母さんたちにもしてほしいという思いで、日々おもちゃで遊ぶことを皆さんに勧めています。

おもちゃの広場での様子
おもちゃの広場での様子。子供と一緒におもちゃで遊んでいると自然と会話が増え、広場は賑やかだ。


さらなるおもちゃコンサルタントの養成と、協働の促進

今後はどのようにおもちゃの広場の活動を広げていく予定ですか。

おもちゃコンサルタントの中には活動が好評で個人的に企業や自治体から声がかかり、卒業していく人がいます。中には自分の力で助成金を獲得して、常設の広場を開催している人もいます。このように協会の支援がなくても自分で活動していける人がもっと増えればと思います。そうすれば協会もより門戸を広げて、新たなおもちゃコンサルタントを養成することができます。
また現在はおもちゃメーカーさんなどが活動に協賛してくれていますが、今後より活動を広げていくためにも多くの企業や自治体と協働していきたいです。


http://goodtoy.org/


協働に関するインタビュー内容

他の団体と協働したいとお考えですか?
YES
どのような団体と協働したいですか?
団体種別問いません。
協働に対して期待したいこと、コメントなどあればお願いします。
おもちゃ美術館の姉妹館を全国展開しようとしていますので、協賛していただける企業・自治体を募集しています。