とうきょう子育てスイッチ 子育てマガジン

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地域で芽生えた先駆的な支援策や注目の取り組みを取り上げ、取材して紹介します。

ママ達の力は無限大。北区でママ達の居場所、活躍の場を開く

「子育てママ応援塾」ほっこり~の(北区)

内海千津子さん

「子育てママ応援塾」ほっこり~の  代表 内海千津子

大学卒業後、金融系の営業職に就く。数年後、フリースクール教員へと転職し、不登校の子供達の居場所づくりに奔走。第一子出産後、復職するが体調不良が続いたことなどから退職。専業主婦となり、ママの居場所がないことを痛感し、2008年「子育てママ応援塾」を立ち上げる。2011年「子育てママ応援塾 ほっこり~の」十条店、2015年志茂店をオープン。北区社会福祉協議会評議員、北区ひとまちしごと創生会議委員、北区産業活性化ビジョン会議委員、北区コミュニティビジネス推進会議委員などを歴任。2児の母。

ママ達の居場所を作りたい。北区十条と志茂に子育て応援サロンをオープン

「子育てママ応援塾 ほっこり~」のを立ち上げるきっかけを教えてください。

内海さん:今の活動の原点との言えるのが、フリースクールでの勤務です。フリースクールは不登校の子供達が安心していられる居場所。その場をみんなで作っていくことが私はとても好きでした。子供が生まれ、育休後、復職しましたが、仕事と子育てと家事をこなす日々に体調を崩してしまい、やむなく退職。専業主婦になり、子供と向き合う毎日に、仕事をしていた時には感じなかった社会から取り残された感じや、育児ストレスも溜まってきました。この状況を変えたいとパートに出ようと決意。しかし、専業主婦が求職活動をしながら、保育園に子供を預けるのはとても厳しいことを知りました。実家に子供を預けながらの求職活動の後、週2日のパート職に受かり、仕事を再開しました。ママ達が自分時間を楽しめる「ママ主体」のサークルが欲しいと、2008年から仕事をしながらママサークル「子育て応援塾」を始めました。カフェの2階スペースで、月1回ママ向けのマッサージやアロマ、フラワーアレンジメント講座などを開催したところ、自分と同じ思いのママ達がたくさん集まりました。自分時間を楽しみ「リラックスして気持ちにゆとりができると、赤ちゃんにも優しくできる」とリピータリピーターになってくれました。サークルの開催回数が段々と増え、ママ達は自分の居場所を求めていると強く感じて、2011年、子連れOK、授乳、おむつ替えができる、無料のサロン「ほっこり~の十条店」をオープンしました。

ハーバリウムの講座の様子


ハーバリウムの講座の様子
取材場所の志茂店では、ハーバリウムの講座が開かれていた。「何をいれようかな?」


ほっこり~の十条店、その後オープンした志茂店について教えてください。

内海さん:どちらのサロンとも、平日はほぼ毎日講座を行っています。ハンドメイド講座、ベビーマッサージ、ママのボディケア、誕生会、保活、幼稚園選び講座などジャンルもさまざま。講師は全てママ達で、サロンのスタッフは全員、サロンに通っていた方です。自分も経験した「孤育て」の防止を考え、ふらりと来ても大丈夫な場所にと、フリー対応できるスタッフを必ず1名入れています。転勤や結婚で初めて来た土地に、知り合いや友人がいない中で、昼間、そして夜、子供と二人っきりで過ごしているママ達が多く通っています。初めてサロンに来た方には出身地やお子さんの月齢や年齢を聞いたりと、気兼ねなく話せる話題から聞くようにしています。一人で育児の悩みを抱えていたり、通院しながら育児をしているママもいます。ひとりで来ても寂しくない、誰かが待っている場所です。

一番人気のある講座は「プレ幼稚園」です。幼稚園入園前のお子さんを保育士資格のあるスタッフが2~3時間預かり、その間ママは自分時間を過ごします。当初はママへの時間をと始めましたが、集団生活で子供達の社会性や協調性がぐんぐんと高まり、トイレトレーニングの進みが早かった、幼稚園入園時にスムーズに幼稚園に通えたなど、子供の成長にもいい影響がでています。例年キャンセル待ちとなるため、クラスを増設し、プレプレ幼稚園(1歳半~)も始まり、現在2サロンで7クラスほど開いています。

また、託児付きのママ資格取得講座も人気で、ネイリスト、アロマテラピー、FP3級対策コースなどがあります。資格取得後、サロンで講師になったママもたくさんいます。受講する育休中のママの中には、資格取得を復帰前のトレーニングと捉えている人もいます。十条店が手狭になったことや、十条店に通うのが大変というママ達の声を受けて、2015年志茂店をオープンしました。

ママ達の手作り品が購入できるボックスを各サロンに設置
ママ達の手作り品が購入できるボックスを各サロンに設置


おんぶの赤ちゃんと一緒に参加できる講座の様子
おんぶの赤ちゃんと一緒に参加できる講座が多い。この日、サロンスタッフが初講師で行った「手作り大好き♪ハンドメイド講座」


ママ達の「やりたい」で生まれた数々の活動

サロン運営、フリーペーパーの発行、地域イベントや北区初の北区子育てメッセの企画・運営と、活動が大きく広がっていきました。どのような活動があるか教えてください。

内海さん:フリーペーパーの制作やチラシデザインなど行うデザイン部、イベント企画、運営を行う企画・運営部、託児を行う託児部があります。全てママ達が運営し、各部にはリーダーがいて、部を動かしています。ママ達の力は無限大です。どんな方も自分の力を発揮できることがあります。私は、ママ達が「やりたい」ことは、まずは「やってみよう」と応援しています。やりたいことをやりたい人本人が責任をもって行う「当事者性」を大切にしています。それで活動が広がっていったと思います。託児付きワークスペース「おひとり~の」や「NICUの会」などほっこり~ので行っていることは、全てママ達の「やりたい」から生まれました。

子供の成長とともに、ほっこり~のに通うママ達も、再就職を目指す人が増えていきました。結婚、出産で退職したママの再就職が厳しいことは、私自身経験をしています。2016年に北区より「北区子育てしながら働く女性・世帯の輝き応援事業」を受託したことを機に、2017年5月、日本初の子育て支援サロンでの有料職業紹介所「じょぶり~の」を開設。現在、北区や板橋区、豊島区の企業や個人店の方から求人をいただいています。地域で顔の見える信頼性の高いマッチングができるため、双方からよい出会いができると好評です。

そして来年2018年2月23日、24日には、北区と協働で北区初の子育てメッセを開催することになりました。現在、みんなで一生懸命準備を進めています。

ママが企画・運営するほっこり~ののイベント
ママが企画・運営するほっこり~ののイベント。北区だけでなく近隣の市町村での開催も


フリーペーパー掲載の活動エッセイが「第10回きずなづくり大賞2016」で運営委員会委員長賞を受賞
フリーペーパーは、現在1万部を発行、子育て支援センターや地域個人店などに配布している。フリーペーパー掲載の活動エッセイが「第10回きずなづくり大賞2016」で運営委員会委員長賞を受賞した


子育て支援の場を運営したい人へのサポートをしていきたい

今後の展望などを教えてください。

内海さん:いろんな活動をしているほっこり~のですが、志茂ジェネ協議会の依頼で、サロンでの多世代交流事業(ママ達とシニアの交流を図る場)が2017年春から週1回始まりました。同年9月に始まったこども食堂は、シニアの方の協力で開催できました。

ママ達の居場所は、今はシニアの方も集い、毎年、保育科の大学生や看護学生がインターンに入っています。また、地方からの視察も年々増えていて、ほっこり~ののような場所を開きたい人がたくさんいることも知りました。

これからは、子育て支援の場を作りたい人へのサポートやコンサルティングも視野に入れて活動をしていきたいと思います。

イベントにて。みんなでほっこりポーズ
イベントにて。みんなでほっこりポーズ


写真協力:ほっこり~の(プロフィールを除く)

HP:https://www.hokkori-no.com/

北区子育てメッセ:http://hokkori-no.plus/kosodate/