とうきょう子育てスイッチ 子育てマガジン

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地域で芽生えた先駆的な支援策や注目の取り組みを取り上げ、取材して紹介します。

地域と協働で子供の学びをサポートする体験型複合施設

ギャラクシティこども未来創造館(足立区)

ギャラクシティ館長 村田憲司


プロフィール

ギャラクシティ館長 村田憲司
14年間旅行代理店にて勤務。2008年より公共施設の管理をする仕事に就き、足立区内の地域学習センターに配属。2018年にギャラクシティの責任者に就任。3人の子供(中3・小2・小1)の父親。

子供が体験しながら学べる施設

「こども未来創造館」立ち上げの経緯を教えてください。

「こども未来創造館」の前身である「こども科学館」は25年前にスタートしました。こども科学館は見て学ぶ施設でしたが、これからは子供たちがあらゆることを体験できる機会をつくり、楽しみながら学んでもらえるような環境にしたいという思いで5年前にリニューアルされ、こども未来創造館と西新井文化ホールからなるギャラクシティとなりました。リニューアル後はフリースペースができ、そこをワークショップや体験活動のスペースとして使えるようになりました。体験機会を増やすことで学びの質を向上させ、そして変化していく社会に子供たちが対応できるようにサポートしていくのが当施設の目的です。

こども未来創造館の施設について教えてください。

こども未来創造館は主に未就学児とその保護者、そして小中高生の子供たちが、ものづくり・社会体験・運動など幅広い分野を体験学習する施設です。平日は保育園・幼稚園・小学生が来て、プラネタリウムやサイエンスショーなどを体験していきます。館内ではロック・クライミングができる「クライミングパーク」やものづくりを楽しめる「わくわくデスク」、料理ができる「とんがりキッチン」などあらゆる分野が体験できます。最も注目を集めているのは「スペースあすれちっく」という国内最大級のネット遊具で、週末には行列ができるほど人気です。また子育てサロン「ちびっこガーデン」は赤ちゃんから未就学児とその保護者が交流できるスペースで、平日は一時預かりも受けています。こども未来創造館は入場料が無料なので、近所の小学生が放課後や週末に子供同士だけでも遊びに来られる安全な場所にもなっています。

スペースあすれちっく
大人気の「スペースあすれちっく」。直径17m、高さ10mの大規模なネット遊具だ


ちびっこガーデン
未就学児と保護者の交流スペース「ちびっこガーデン」。奥の方には幼児用の小さなクライミングウォールもある。


地域の大学も活動に参加

こども未来創造館は地域の大学と連携をしているようですね。どのような活動を一緒におこなっているのでしょうか。

主に地域の四つの大学(東京電機大学・東京未来大学・帝京科学大学・東京芸術大学)と連携して活動し、それぞれの大学が強みを活かしたワークショップを提供しています。例えば東京電機大学はプログラミングや実験のワークショップ、帝京科学大学は工作のワークショップです。また東京未来大学には「こども心理学部」がありますが、保育や教育を専攻する学生にとっては、こども未来創造館で最前線の研究をすることが可能です。

東京電機大学の学生が開催したサイエンスラボ
東京電機大学の学生が開催したサイエンスラボ。「不思議!」「おもしろい」が生まれる瞬間。


ワークショップを受ける子供と、そのワークショップを提供する大学生、双方にとって学びの場であるのですね。

大学生にイベントなどのちょっとした手伝いをしてもらうという連携の方法もありますが、それよりもこの場所を大学生の学びとキャリアの一環として積極的に活用して欲しいと考えています。また普段はお互いになかなかに接することもないので、ワークショップは大学生と子供にとって良い触れ合いの機会でもあります。こども未来創造館で活動した大学生は、子供に頼りにされることで「自分は子供に必要とされている」「役に立っている」という自己肯定感も芽生えるようです。

大学との連携活動をどのように展開していく予定ですか。

2019年4月からは新しい試みが始まろうとしています。通常はギャラクシティが区の施策に基づいてワークショップなどの活動を企画しますが、この試みでは東京未来大学の学生が主体となって、こども未来創造館での子供向けワークショップを企画から実践まで行います。つまり、大学生にギャラクシティの運営に積極的に関わってもらうのです。まだ未定ではありますが、今後この活動が大学の単位として認められるように進めていく方針です。
また大きな構想としては、こども未来創造館で大学生と学んだ子供が、そのままその大学に入学できるようなシステムも作りたいと思っています。ワークショップは年間2200本ありますが、それを全部結びつけて体系的に学べるようにして、子供たちが少しずつステップアップし最終的に大学に入学するという仕組みにしたいのです。こども未来創造館では楽しみながら学べますが、ただ楽しいだけではなく、学びの成長を測れるような施設にしていきたいと考えています。

トウモロコシから取れる分解性プラスチックについて学び、そのプラスチックでアクセサリーを制作するところ。
トウモロコシから取れる分解性プラスチックについて学び、そのプラスチックでアクセサリーを制作するところ。


地域の大学、企業との「協創」。2019年は国際色豊かな活動も

2019年はどのような活動をしていく予定ですか?

現在、特に力を入れているのが社会体験事業です。3月にはセブン&アイが運営するアリオ西新井でお仕事体験が行われます。ユニクロやムラサキスポーツ、サーティーワンなど多くの企業が参画し、子供たちにそれぞれの現場でお仕事体験をしてもらいます。この企画のすばらしい点は、子供たちが現役で仕事をしている社員に直接指導してもらうことができるということです。接客や商品の陳列、普段は見ることができないバッグヤードに入ることもできます。体験を通していろいろなことを感じ、楽しんで学んでもらえればと思います。

2020年にはオリンピックが開催されますが、関連した活動の予定はありますか?

今年はオリンピックに向け、国際交流のイベントが盛んに行われる予定です。6月に、ユネスコが主催するグローバルダンスフェスティバルが、こども未来創造館に併設する西新井文化ホールで開催されます。現在こども未来創造館では、来年から学校で必修になる英語教育にも力を入れているところです。学んだ英語を活かせるように、子供たちにダンスフェスティバルに来た外国人をおもてなししてもらいます。外国人と触れ合う良い機会になると思います。
また西新井駅近くにあるエンブレムホステルには、多くの海外からのバックパッカーが宿泊していますが、そこでフロントなどのお仕事体験をさせてもらうことがあります。そのホテルに宿泊している外国人がこども未来創造館に遊びに来て、子供たちと交流することもあります。エンブレムホステルはギャラクシティの活動にとても好意的に協力してくれていますが、このように今後も地域の企業や大学と協創・協働して事業を進め、未来を担う子供たちの学習環境を共にサポートしていきたいです。

エンブレムホステルで宿泊客の外国人と交流する子供たち
エンブレムホステルで宿泊客の外国人と交流する子供たち。学んだ英語を活かす絶好の機会だ。


写真協力:ギャラクシティ指定管理者みらい創造堂(一部写真除く)

http://www.galaxcity.jp/