とうきょう子育てスイッチ 子育てマガジン

知ろう!出会おう!とうきょう子育て

地域で芽生えた先駆的な支援策や注目の取り組みを取り上げ、取材して紹介します。

子育て中のママにもう一度働く・働き続けるきっかけを

公益財団法人東京しごと財団(千代田区)

キッズスマイルフォト協会


プロフィール


公益財団法人東京しごと財団 

写真左)しごとセンター課長・酒井 崇光

写真右)しごとセンター課 女性再就職支援担当係長・信田(のぶた) 江美子

子育てや介護で離職された女性の就職支援や、家庭と両立して働き続けたい女性のサポートを行っています。

“わたしが輝く”第一歩を一緒に踏み出す。

「女性しごと応援テラス」について教えて下さい。

酒井さん:平成26年から「女性しごと応援テラス」を運営しています。東京しごとセンターは全ての年齢層を対象にしていますが、子育てや介護で離職された女性の支援の大切さを考えて専用の窓口を立ち上げました。特に出産・育児で離職された方が、再就職を考えた時に勇気が持てなかったり、なかなか一歩を踏み出せなかったり、という方の支援をメインで行っています。

信田さん:最初は総合相談で受付をさせていただきますが、状況をお伺いする段階で、子育てと仕事の両立を図りたいといったご希望の女性の方は「女性しごと応援テラス」にご案内しています。昨年は約1,500人の方が新規に登録され、多くの方にご利用いただいています。

酒井さん:子供の預け先、家庭と仕事の両立・・・みなさん不安は色々ありますよね。初めはモヤモヤのままでご相談下さい。アドバイザーと一緒に考えていきたいと思っています。カウンセリングやセミナーを通じて、やりたいことを見つけていただく、「女性しごと応援テラス」はそこを応援しています。

信田さん:何をしていいのか分からないという状態で来ていただいて大丈夫です。子育ての手が掛からなくなったという考え方ひとつでも違います。小学校に上がったからという方もいれば、大学生になったからという方もいらっしゃいます。人それぞれ感じ方が違うという部分を大切にして再就職をサポートしています。

施設と活動について教えてください。

信田さん:施設は相談コーナー、ミニセミナーコーナー、情報コーナー、パソコンコーナーの4つで構成されています。また、一般の就職支援施設と大きく異なる点は、キッズスペースや、託児室を設けているところです。満1歳~6歳未満の未就学児に限りますが、セミナーやサポートプログラムに参加される方は、無料で託児室の利用が可能です。事前の予約が必要なので、ご利用の際は、チラシやHPで詳細をご確認下さい。

酒井さん:その他に、授乳室やおむつ替えのスペースもあり、子供連れで利用しやすいよう工夫をしています。

託児室
託児室。保育士による託児が可能。


信田さん:相談コーナーでは、専任アドバイザーが1対1でサポートを行います。アドバイザーは、仕事と家庭(子育て)との両立について多くの方の相談を受けています。蓄積された経験のもと、一人ひとりに合ったサービスを提供していますので、まずは、モヤモヤの気持ちをお話下さい。お仕事の紹介を希望される方には、希望内容や経験を伺いながら求人情報や各種プログラムをご案内します。

相談コーナー
相談コーナー。専任アドバイザーによるサポートを個別に受けられる。


ミニセミナーコーナーでは、「はなさきカフェ」という少人数のグループワークを週に2回程度、様々なテーマを設定して行っています。テーマに沿った課題を出し、解決方法をグループワークで考え、発表し合うところが特徴です。例えば「履歴書の書き方について」をテーマに、課題は「ブランクがある人の履歴書は、面接官の立場になったらどこを見ると思いますか?」と設定します。視点を変えて考えることによって「面接官に対して、ブランクの不安を払拭するような何かを履歴書の中でアピールすれば良いよね。」など解決方法が出されるのです。講師やファシリテーターのアドバイスも良いのですが、ご自身で導き出した気づきは、背中をポンと押すのに良い効果をもたらします。また、自分では当たり前だと思っていたことを同じ境遇の仲間にと褒めてもらう事で、自信に繋がります。

はなさきカフェの様子
はなさきカフェの様子。少人数で気楽に情報交換しながら、ノウハウや課題解決のヒントを得られるプログラムが好評。


情報コーナーの求人は、家庭との両立にご理解のある企業を中心に掲示しております。応募の際は、アドバイザーと求人開拓員が間に入りますので、久しぶりの求職活動の方も安心して応募が可能です。
パソコンコーナーでは、求人情報検索や、履歴書の書類作成が可能です。近くにキッズスペースが設けてありますので、お子さんは遊びながら待つことが出来ます。

テラスの全景
テラスの全景。季節に合わせた折り紙の装飾がとても華やか。


他に、セミナーやイベントはありますか?

信田さん:利用者の状況に合わせたセミナーと、サポートプログラムを用意しています。開催場所は「女性しごと応援テラス」がある飯田橋と、都内各地域で行っています。
飯田橋では、就職に役立つ知識や職種別の実習、職場体験までをセットにした10日~12日のプログラムで、経理・給与・一般事務など事務系職種のコース設定となっています。例えば経理コースだと、事務経験者でも経理の経験がない方や、簿記の資格を取得しているけど実務経験がないといった方が受講しています。また、再就職経験者・人事担当者との交流会も好評です。かつて同じ境遇だった方が今は輝いて働いているなど、再就職経験者のお話は、参加者にとって良い刺激になるようです。プログラム参加者に対して、モチベーションが落ちないうちに行うフォローアップセミナーでは、「不安が無くなり、前向きにステップアップしたい気持ちになった。」という声が多数あります。その他、各地域で開催されているパソコン操作などの基礎が学べる5日間のプログラムや、育児をしながら働くことを考えるセミナーがあります。また、就職の第一歩として気軽に参加できるようなイベントを年3回開催しており、カラーコーディネートやリンパマッサージなどの楽しめる内容や、女性が活躍している企業の紹介をしています。

プログラムパンフレットやチラシ
左)飯田橋で実施される、女性再就職サポートプログラムパンフレット、
右)地域開催の、子育て女性向け再就職支援イベントのチラシ


社会全体で仕事と子育ての両立を応援

「女性しごと応援テラス」以外に、子育て支援に関わっている事業はありますか?

酒井さん:東京しごと財団は、就職をしたいという個人の方を支援する部門と、それを受け入れる企業を支援する部門に分かれて両方の支援を行っています。企業向けとして、育児中の従業員の就業継続や、男性従業員の育児休業取得を応援する企業を支援しています。男性が育児休業を連続15日以上取得すると、企業に奨励金が入るというものや、従業員に1年以上の育児休業を取得させ、職場環境を整備すれば、同じく企業に奨励金が出るというものです。 また、企業が従業員向けに設置する「企業主導型保育施設」の設置を検討する企業への相談対応や、開園にあたって必要な備品の購入経費の助成などの支援も行っています。こちらのチラシは、自分の会社では作れなくても、企業同士で契約を結ぶことで、他の会社の企業主導型保育施設を利用できる共同利用という仕組みについて周知しています。

信田さん:企業主導型保育は、企業の従業員向けに作っていますが、空きがあれば地域住民の受け入れが可能になっています。例えば、10人の定員だったら8人は従業員枠、2人は地域枠というように決めます。あまり知られていないのですが、地域枠が空いている場合が多いので、「女性しごと応援テラス」でもその情報提供しています。仕事をしたいけど保育園が見つからないという方が、預け先が確保できたという例もあります。

プログラムパンフレットやチラシ
左)働くパパママ育休取得応援 、
右)「企業主導型保育施設」の共同利用のPRチラシ


働きたい女性たちに、幸せな選択のサポートを

今後の展望はありますか?

信田さん:就職が目標ですが、あくまで就職が最終ゴールではなく、就職を通して幸せな選択のサポートをしていきたいです。就職したとして、その先も納得して働き続けられる場の提供や支援も行っていきたいと思っています。また、いつかは働きたいけど不安が多いと思っている潜在層の方たちに「女性しごと応援テラス」へ来ていただきたいので、今後も積極的にPRしていきたいです。

酒田さん:企業に向けての働きかけとして、女性だけでなく男性の育児休業の取得や、仕事と育児を両立する女性を採用して活躍できる企業が増えいくよう支援を行っていきたいです。そうすることによって、働き口や業種・職種の選択肢が増え、利用者にとっても働きやすいのではないかと思います。


写真協力:東京しごと財団(一部写真除く)

https://tokyoshigoto-terrace.jp/

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