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子供はお父さんの「大丈夫」でチャレンジできる

斎藤和巳さん 子供はお父さんの「大丈夫」でチャレンジできる

斎藤和巳さん

一般社団法人東京都民間保育園協会会長。社会福祉法人報徳福祉会さつき保育園理事長・園長。園長を務めるさつき保育園は地域に溶け込んだ保育園として知られ、卒園生が親として、保育士となって再び園に通うことも多い。日曜日の地元チームでの野球は今も欠かさない。

子供をあたたかく見守る地域に感謝

斎藤さんは保育園の園長として長年勤められています。

私が園長になったのは37年前になります。当時は独身でした。その頃の園児のお父さん、お母さんは同年代だったこともあって、お互い友達のように気さくに話をしていました。また、独身という立場での子どもの話が他の先生とは違って新鮮だったようです。その頃としては珍しいのかもしれませんが、園ではお父さん達がよく行事に参加していました。今では親御さんとはだいぶ年齢も離れてきたので、いい距離を保ちながら関係性を築いています。 地域で長く保育園を続けてこれたのは、地域の方が保育園を大変理解してくださっているからだと感じています。保育園の季節行事では、近隣の方に参加を呼びかけたり、老人ホームでの触れ合いなどは積極的に行っています。ご近所に住むある年配の方は、園児の帰宅時間になると外に出られて、子供に声をかけていただいたりと「子供達を見守る」雰囲気が地域にあります。

「お父さんデー」でお母さんのリフレッシュ時間を

今のお父さん達について思われることはありますか?
斎藤和巳さん

送迎や行事に、ご夫婦で参加される方は増えましたね。昔は「子供のことは母親」という考えが暗黙の了解にあって、お母さんから子供が熱をだした時の連絡は「夫には連絡はしないで、必ず私に」と言われていました。今は、お母さんに連絡が取れない時はお父さんへの連絡が自然になってきています。「育児は夫婦で」という意識の方が多いと感じます。お母さんは毎日仕事に、育児に時間に追われてとても大変です。頑張っているからこそですが、どうしてもお子さんのやることに手を出し過ぎてしまうことがあります。お父さんは、おおらかにお子さんと接するように、お互いの役割分担が自然にできるといいですね。イクメンになろう!とあまり気負わずに、できることからしてみたらいいのではないでしょうか?例えば、日曜日の午前中は「お父さんデー」。お子さんと一緒に近所の公園におでかけして、その間、お母さんはゆっくり寝たり、家を片付けたり、お出かけしたり、「自分時間」を過ごしてリフレッシュする。この日を励みにお母さんも毎日頑張れると思います。

お父さんも仕事で疲れているかもしれませんが、子供に一番手がかかるのは、小学校にあがる前の0~5歳この時だけです。お子さんのお世話が大変なのも、お父さんもお母さんも自分の時間が欲しいのも、本当によくわかります。ですが、子供はあっという間に成長して、お友達と遊ぶのが楽しくなります。祖父母や友人、知人などに時には頼りながら、この数年を、子供の時間に寄り添えるようになれるといいですね。

2階の「こどもの広場」には、たくさんの絵本が並び、季節ごとなどで先生のイチオシの本が展示される

話を「聞く」ことで、家族円満に

お父さんだからできることはありますか?

体を大きく使った遊びや、抱っこはぜひ、お子さんにして欲しいですね。子供はお母さんの抱っこも大好きですが、お父さんの大きな包容力のある抱っこも大好きですよ。何度も何度も「抱っこ」をせがまれることもあると思います。今だけの期限付きでできることです。たくさん、たくさん、お子さんを抱っこしてくださいね。  そしてお父さんは、子どものやりたいこと、チャレンジをフォローして欲しいです。「やりなさい」ではなく「大丈夫」、「見ているよ」という親の姿勢から、子供は勇気をもらって、自分から初めてのことにもチャレンジできます。

お父さんがお母さんにできること、家族が仲良く続くコツはありますか?

お父さんは、お子さん、お母さんの話を「聞く」。これに尽きます。お子さんが保育園でこんなことした、あんなことしたというのを聞いて受け止めて「よかったね」「すごいね」と言葉がけをする。それを聞いたお子さんは「僕(私)の話をお父さんは喜んでいる」と感じて、お父さんと話すのが楽しいと、たくさん話すようになります。お母さんは、仕事や育児で大変なこと、愚痴でいいんですよ。それをお父さんに話す。お父さんは「大変だね」「頑張っているね」と共感の言葉を伝えれば、仕事を辞めたい、育児が辛いと思っているお母さんも、また踏ん張れる。そうやって「聞く・話す」を大事にしながら家族の生活を重ねていけば、家族が仲良く暮らせるのではないかと思います。

園庭は海の砂を敷き詰める。「園庭での活動で、子供達の足腰が強くなって転びにくくなります」(斎藤園長)

一般社団法人東京都民間保育園協会の会長として、今後していきたいことはありますか?

以前は公立の認可園の方が私立園より多かったのですが、最近の待機児童問題もあり、現在は公立600園に対し、私立園が1200園と倍になりました。内930園が協会に加入いただき、大きな団体になりました。新規の私立園が増えていることもあり、制度変更などの情報提供や保育園同士のつながりが持てるような協会を目指していきたいと思います。