イベントレポート

メインステージ・ブースで各種イベントを展開(ワークライフバランスフェスタ東京2009)

2009/02/18 東京国際フォーラム 展示ホール2

2月18日、東京・有楽町の東京国際フォーラムで「〜働き方を見直すいきいき職場を応援〜 ワークライフバランスフェスタ東京2009」が開催されました。働き方の見直しを通じて仕事と生活の調和を実現し、多様な人材を活かすことができる雇用環境の整備に取り組むことは、雇用の確保、人材育成、少子化への対応のためにも極めて重要だとの観点から、東京都では各種の助成事業に加え、平成20年度から生き生きと働き続けられる職場の実現に向けて優れた取り組みを実施している中小企業を「東京ワークライフバランス企業」として認定する制度を設けました。

今回のフェスタでは、長時間労働削減、年休取得促進、育児・介護休業制度充実、多様な勤務形態導入の4部門で合計12社を認定し、メインステージで各社へ認定状を授与しました。さらにそれらの取り組みについて各社の代表から紹介を行うとともに、認定企業ブースを設け、各社のWLBへの取り組みを紹介するDVD放映、会社紹介や就職情報などのプレゼンテーションが行われました。

ワークライフバランスフェスタ東京2009

▲東京WLB企業12社へ認定の授与と各社のWLBへの取り組みが紹介された。

このフェスタを共催する子育て応援とうきょう会議では、当日二つのイベントを行いました。一つは、子育て応援とうきょう会議の構成団体である法政大学キャリアデザイン学部の武石恵美子教授のゼミ生の皆さんによる、WLBを推進する都内企業へのインタビュー調査結果報告、もう一つは、同じくとうきょう会議の構成団体であり、各種セミナーなど父親のWLBを推進していくためのさまざまな取り組みを展開しているNPO法人ファザーリング・ジャパン代表の安藤哲也さんによるセミナー「仕事に活かすパパ力(ぢから)」をブース・イベントとして開催しました。

ここでは、安藤さんのセミナーのエッセンスがぎゅっと詰まった「仕事に活かすパパ力」の模様をご紹介しましょう。

ワークライフバランスフェスタ東京2009 ワークライフバランスフェスタ東京2009

▲子育て応援とうきょう会議のブース前ではパパ力検定(体験版)を受けるお父さんたちの姿が。

パパに子育ての楽しさを伝えよう!

「まだまだ育児を義務と捉えていて、子育ては妻に丸投げ、アウトソースするものだと考えている男性、お父さんは多い」と指摘する安藤さん。そんなお父さんに意識改革してもらうためには「子どもと過ごす時間を作るために仕事の効率化を図ったり、タイムマネージメント能力が向上したり、あるいはアクシデントに柔軟に対応できるようになったりと、子育てはあなた自身にとってもすごくメリットがあることですよ。」と伝えることが大事とのこと。そして、実際に展開されている企業や自治体とのコラボレーション・セミナーの実例をいくつか紹介。たとえば「パパの料理教室」参加者からは「あれから僕が週に1回料理を作るようになりました。その日はいい食材が残っているスーパーが開いている時間に帰宅できるよう、仕事を効率を上げてやるようになりました」。父子旅行(FJツアー)参加者からは「本当に大事な時間を失ってきました。子どもはこんなにかわいいものだと分からなかった。来週から、毎日は無理だけど、週に2回は夕飯に間に合うように帰りたいと思います」等々、参加者の「生の声」も併せて紹介してくださいました。

また、ファザーリング・ジャパンで実施している「パパ力検定」も妻と育児について話をする良いきっかけ、機会になるとのこと。たとえば、昨年は全国で1041名が受検、コア世代は30代40代のお父さんたちだったそうですが、さすが偏差値世代と呼ばれた年代、事前に購入した問題集を使って、ママと問題を出し合う姿などが受検会場では見られたそうです。「点数ではないんです。こういうやりとりを通じて、妻と話し合いながら、コミュニケーションをとりながら、育児をしていくことがおもしろいと気づいてもらうきっかけにすることが大事なのです」と安藤さん。ちなみに、フェスタ当日はこの「パパ力検定」の体験版がブースで実施され、楽しみながら“受検”する来場者も多く見受けられました。(レポーター(40代)もさっそく挑戦! 結果は10問中6問正解。「なんか、ビミョー」と思ってしまう“偏差値世代”でした)

ワークライフバランスフェスタ東京2009

▲ファザーリング・ジャパン代表の安藤哲也さんのセミナーの様子。

目指せ!「寄せ鍋型WLB」

「そうは言っても、お父さんたちもいろいろ悩みを抱えています」と安藤さんは父親の悩みの上位2つを紹介しました。トップはなんと言っても「仕事が忙しくて育児時間が取れない」です。日本の男性の育児時間は1日30分。それに家事10分をプラスしても40分という統計を示しながら、「本音は仕事と育児を同時に重視したい。どちらかといえば生活が大事だと言っている男性が4人に1人はいるけれど、現実には仕事重視が7割を超えている。それで、子どもとのふれあいがない、愛着が湧かない。さらに本人の健康問題にまで発展してしまっている」と現状を指摘します。

子育ての悩み2つめは「子どもとどう向き合っていいのか分からない」。安藤さんによれば、「最近は赤ちゃんを抱っこできないパパやママがいます」とのこと。その原因は、「たとえば少子化で自分が子どもを持つまで子どもに接する機会がなかったことや、先ほどの「時間がない」こと、さらにファミコン世代でコミュニケーションをとることがうまくないといったことが考えられる。父親のポジショニング(位置づけ)が家族・家庭や地域社会から切り離された状態に置かれてしまっているのが現状である」と指摘します。

これらを変えていくためにもWLBの推進は重要です。安藤さんによると「お父さんたち自身“コレがしたい”ということがあって、そのために仕事の仕方を工夫しようと考え、行動していくのが本当のWLB」。これからのWLBは「寄せ鍋型」を目指すのが一番だとファザーリング・ジャパンは推奨しているとのこと。「ライフという名の大きな鍋をイメージしてください。その鍋の中に具材として、仕事があったり、育児があったり、介護の人もいるし、独身の方は自分の趣味とか自己啓発、いろいろあります。人それぞれ具材を持っている。コレを全部放り込んで、ぐつぐつ煮て、ブレンドされた味わいを楽しもう、ということです。どれも100%やろうとするから大変になる。相乗効果、シナジーを楽むと、いろいろなことが結びついてきます」と安藤さん。

そして最後に、「日本に3500万人いると言われている父親が変わっていけば、家庭が変わる、地域が変わる、企業が変わる、そして社会が変わります。」と結んでくださいました。

ワークライフバランスフェスタ東京2009

▲東京国際フォーラムには、4,129人の来場者があった。