イベントレポート

「家族の立場からワーク・ライフ・バランスを考える」レポート01

2009/11/16 子育てひろば あい・ぽーと(港区)

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近年、少子高齢化の進行に伴い、国、地方公共団体、企業等でさまざまな取組みが進められています。
企業においても【定時退社】や【男性の育児休業の取得】、子どもの病気に伴う【子どもの看護休暇の取得】など子育て支援の制度が充実してくる一方、働く者にとっては子育てとの両立は依然として高いハードルといえます。このため、企業側が子育て世代の家庭生活や子育ての実情など生の声を聴くことにより、社員の良好なパフォーマンスやモチベーションを支える家族の存在に意識を向け、ワーク・ライフ・バランスの推進に関心を持つ契機としていくための懇談会を開催しました。

コーディネーターは、恵泉女学園大学大学院教授であり、「子育てひろば あい・ぽーと」施設長の大日向雅美先生。乳幼児から小学生のお子さんを持つお母さんお父さんと、企業担当者の全23名で、夫の働き方やワーク・ライフ・バランスについて、語り合いました。

(家族側参加者・・・☆ 企業側参加者・・・★ 子育て支援者・・・◎)

育児の中で、夫の助けがなくて困ったことは?

家族の立場からワーク・ライフ・バランスを考える

大日向先生:今回のタイトルは「家族の立場からワーク・ライフ・バランスを考える」です。一言でワーク・ライフ・バランス(以下 WLB)と言っても、切り口はいろいろあると思います。企業関係の方が最初に思い浮かべられるのは、女性活用についてのことだと思いますが、今日は少し視点を変えて、まず、夫へのグチから始めたいと思います。「こんなはずじゃなかった」「こんな人(夫)とは思わなかった」……なんていう、夫に対するいろいろな思い。それは、夫だけの問題なのか、企業の問題なのか、いろいろな問題が含まれているのではないでしょうか。それがWLBを考えるひとつの切り口になるかなと思います。

F(とうきょう会議担当者):夫が働いているところは、ファミリーフレンドリー企業(WLBに努めている企業)の認定を受けたこともある企業です。下の子が2歳で、上の子は小学生です。上の子が産まれた一時期は、まだよかったんですが、下の子が産まれてから、夫の帰ってくる時間を知らないというような生活です。

たとえば、子どもが病気になると、自分が休むか、誰かに頼むかということを考えるのも自分一人。おばあちゃんに頼むとか、今日は遅いから明日の朝一番で医者の予約を取ろうとか、すべてを自分で考え段取りをして、翌日、夫に「昨日熱を出して、早退したの」と報告するという毎日です。「熱を出したから、今日はお迎えに行って」と、せめて頼めるような形になるのが、ささやかな願いです。

◎Sさん:私は専業主婦だったのですが、夫の仕事が忙しいときには、朝5時に帰ってきて、お風呂に入ってそのまま朝8時に出ていくなんていうこともありました。何もかも私がしなくてはならないという、追いつめられた気分でした。でも、異動で海外に行ってからは、出勤時間もフレックスになって、帰宅時間も早くなって、家族で食事を取るのが当たり前になり、わが家の家庭環境ががらっと変わりました。夫のそんな変化があったので、子どもを2人、3人と産むことができたし、子育ての楽しみも共有できました。あの時がなかったら、今の家庭の雰囲気はなかったのでは思います。

☆Oさん:わが家の場合は夫の会社が外資系なので、休みも取りやすい方だと思いますが、子どものことでちょくちょく休みを取れるわけではありません。専業主婦である私が、子どもの面倒を見るという状況でした。

☆Mさん:わが家の場合は、夜はみんなで食事をとることができます。その後は絵本を読んだり……という父子の時間。私は夕食の片づけなど、自分のペースでできるので、一日一日がラクだということを実感しています。夫は子どもが生まれたときから、育児に興味があったようです。

◎Nさん:わが家の場合は、夫の仕事が不規則で夜何日も家に帰ってこないこともあったので、母子だけの毎日でした。さびしくて、実家に入ってしまい、その後、実家の隣に家を建てて、実母と二人三脚で年子の息子を子育てしました。

大日向先生:団塊の世代の子育ての特徴は、夫は仕事一辺倒の中で、妻が孤軍奮闘でつらい思いをしていたと言えるかと思います。時代と共に夫が変わってきたという声もありますが、まだまだ夫の帰宅時間が遅くて、仕事の都合がつけにくく、Fさんのようにお子さんが急な病気の時にも、お母さんが一人でがんばっているという事例は特殊ではないと思います。

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