イベントレポート

平成26年度幼稚園・保育園職員合同研修 (最終回)

2015/02/15 大妻女子大学(千代田キャンパス)

平成26年度参加型グループ研修「園内研修の実践について考える」

平成27年2月15日に、幼稚園、保育園等の職員を対象とした、合同研修が開催されました。これまでの学びの総まとめとなる最終回に、過去に実施した研修を受講した24名が参加。「園内研修の実践について考える」をテーマに、ファシリテーターの役割を担う皆さんの、実践的な学びの様子をレポートします。講師は大妻女子大学の岡 健 先生です。

アンケート結果から研修成果の考察

はじめに、これまでの合同研修の振り返りとして、1月に実施した「園内研修の実施等に関するアンケート調査」に関する報告が事務局からありました。アンケートは、平成22〜25年度に実施した“幼稚園・保育園合同研修(基本研修)”の受講者および施設(の代表者)より回答が寄せられたもの。
研修で学んだ手法を活用して、園内研修を実施した人は受講者の約7割で、「以前よりも研修が活性化した」「ある程度気づきがあった」などの感想がありました。
一方、継続して研修を実施するうえで、「時間が充分に取れない」「ファシリテーターの育成とサポート体制が必要」などの声があがっていました。
事業者における教育・保育の質の向上への取組の推進を図っていくためには、こういった園内研修の手法が効果的であることを広く周知するとともに、手法等を学べる機会を何らかの形で継続していくことが有効であると考えられます。

岡先生のお話~「同志の交流が大切」

講座が始まり、まずは岡先生のお話から。「もともと『自分から育ちたい』欲求があるのが人間。『遊びたい=育ちたい』という子どもたちに対して、何をしたらいいかを考えるのが保育です」「子どもたちにより良い環境を作りたい、という共通の思いを持つ同志たちが、相互交流する機会を持ち、継続できるといいですね」というお話がありました。参加者の皆さんは、共に学ぶこと、交流することの重要性を実感している様子で、先生の言葉に大きくうなずいていました。

グループワーク~個々にあげた「議題」を共有する

「今日は『これまで学んだ手法を園内研修でどう活かしたか?』をテーマに、皆さんで協議を進めてもらいます。ミーティング・ファシリテーターのワークの実践になります」と岡先生。具体的なワークの方法を次のように説明されました。

  1. 各自で「うまくいったこと」「自慢できること」をピンクの附箋に、「うまくいかなかったこと」「教えてほしいこと」をブルーの附箋に書き出す。
  2. 書き出した中から、みんなで話し合いたいことを1つ選び出す。
  3. 選んだ理由を発表しグループで共有する。
  4. 話題を絞り込んでいく。

各自が書き出した附箋は、優先順位に沿ってテーブル上の模造紙に並べられました。中から1枚を選んで、その理由を一人ひとり順番にシェアしていきます。
例えば、「園長や年長者の意見で決まることが多い」「職員全員で共通の理解を持つのは難しい」(ブルー附箋)、「会議内の15分間で全員の意見を園長に伝えた」「1人が受けた研修内容を全員で共有している」(ピンク附箋)など、さまざまな話題が集まりました。
「ブルーの附箋に書かれているのは、園で持ち上がってきた課題、自分の中で解決したいことであるはず。それに対する回答が、他の人のピンクの附箋の中にあるのでは?」という岡先生の言葉に、皆さん、一斉に身を乗り出して、附箋を見比べていました。

グループワーク~ファシリテーターは話を拡散・収束する

テーマが絞り込まれてきたところで、いよいよ協議に入ります。「15分さしあげます。どうぞ」という岡先生の号令で、グループごとに話し合いが始まりました。
ファシリテーターの役割としては、話し合いを見守る中で、「なぜそう思ったのですか?」「具体的にどういうことですか?」などと、質問を投げかけていくことが大事。ファシリテーターが問いかけをすると、研修参加者はさらに考え始め、気づきを深めることができます。
各グループを回り、岡先生がアドバイスします。
「参加者から新しいアイディアを引き出すことは、ファシリテーターの役目です。煮詰まったときは、ポイントをずらしたり、自分の理解を提示してみましょう。話題を広げて“拡散”していくわけです。ひと通り話し合いが持たれたところで、今度は情報を整理してまとめ、“収束”していきます」

ワールド・カフェ~発表と振り返りで情報を整理する

グループワークを行った後、メンバーを組み替えて協議の内容をシェアする『ワールド・カフェ』を行いました。
ガイド(発表する人)、記録者はテーブルに残り、旅人は他のテーブルへ移動。先生の「はい、時間です。交代!」のかけ声で、一回ごとに役割を交代していきます。和やかな雰囲気の中、どのテーブルも話が盛り上がり、時間が足りなくなるほど。
最後に元のグループに戻り、情報が整理されことや気づいたことなど、振り返りを行いました。

まとめ~岡先生のメッセージ

ファシリテーターは、「それはこういうことですね?」「皆さん、どう思います?」などと質問しながら話題を拡散し、広げたら今度は話を整理して収束する、というように柔軟に会議を進めていきます。最後に、まとめた内容を参加者全員で共有することも大切です。ファシリテートは難しいですが、今日のやったように実践することで理解が深まるもの。ここで取り組んだ基本は、話したいテーマや職員の人数などに応じてカスタマイズできます。それぞれの園内研修でぜひ活かしてください。

受講生からの感想

  • 今日は先生や皆さんのお話から、いろいろ吸収しようという思いで参加したが、大変勉強になった。
  • それぞれ園の違い、環境の違いがあっても、問題や悩みは共通していた。お互いに共感ができたり、具体的なアドバイスが得られたり、短い時間だったが大いに収穫があった。
  • ファシリテーターの役割を理解することの難しさを痛感。相手の悩みに共感してしまい、冷静に話を聞くことができていなかったと反省した。
  • 岡先生のピンポイントのアドバイスをいただいて、いろいろと気づきがあった。学んだことを、園に戻って職員全員に伝えようと思う。
  • 過去の研修ですでに顔見知りになった方々と笑顔で再会でき、有意義な時間となった。共に学ぶことが楽しいと実感し、こうした機会があればまた参加したい。