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地域の団体活動紹介地域の団体活動紹介

知ろう!出会おう!とうきょう子育て

地域で芽生えた先駆的な支援策や注目の取り組みを取り上げ、取材して紹介します。

大田区のすべての子供が安全・安心で心豊かに暮らせる生活環境づくりを

NPO法人ユースコミュニティー(大田区)

NPO法人ユースコミュニティー


プロフィール

代表理事 濱住 邦彦さん
理事 宇津木 豊子さん

2011年の東日本大震災の被災地でのボランティア経験でNPO法人の活躍を目の当たりにした濱住さん。かねてより若者支援を考えており、震災後に大田区で学習支援団体のボランティアに参加しました。その後、大田区のすべての子供が安全・安心で心豊かに暮らせる生活環境づくりをしたいという願いから、子供たちへの学習支援を通じて地域の課題を解決するという理念で2012年にNPO法人ユースコミュニティーを立ち上げ代表理事として地域の若者を支援しています。

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子どもが過ごし方を自由に決められる「学び場」を提供

ユースコミュニティーの活動を教えていただけますか?

メインの活動としては、大田区で子供たちへ「自由塾」という名称で学習支援の活動を行っています。
今年で10年目になりますが、年々学習拠点を増やしており、現在大田区内で10か所の拠点を利用して活動をしています。
教室に通い勉強をしている子供は中学生を中心に270名ほどいて、約150名のボランティアスタッフが勉強を教えています。きちんとついて見る事が必要な子には家庭教師のようにマンツーマンで勉強を見ますし、逆にマイペースでやりたい子供はそっと見守るというように、子供の性格によって教え方も使い分けています。
その他にも、不登校などの子には勉強をしなくてもいいから顔を出してもらって他の子供とコミュニケーションをとってもらう居場所づくりといった活動や、今はコロナの影響で実施できていませんが、課外プログラムとして泊りがけの合宿、スポーツイベント、クリスマスパーティー等も企画してやってきました。

自由塾 池上教室 外観
自由塾 池上教室 外観


自由塾 池上教室 授業の様子
自由塾 池上教室 授業の様子

教室ではどのように学習をすすめていくのでしょうか?

子供たちはやりたい教科を自由に決めることができます。自由塾に来たらまず、ホワイトボードに自分の名前と宿題など学習したい教科を書いてもらい、ボランティアの先生が得意な分野をマッチングして各々の子供に付き添って教えていきます。特に今日はやりたいことがないという子供や、問題集の理解が不十分、反復練習がもう少し必要などという子供に対しては、教材メーカーからご提供頂いている教科書の目次と難易度から選択できるプリント教材をすぐに印刷して勉強できる体制も整えています。また高校生の大学受験支援になるとボランティアスタッフでは限界があるので、有償のスタッフできちんと支援するという体制もとっています。



教育格差を生まないための子供たちへの学習支援

ユースコミュニティーの学習支援の特徴を教えてください。

今は私が子供のころに比べて学習に対するコストが非常に高くなってきています。多くの学習塾では「こうすれば成績は上がる」という学習スタイルが主流になっています。 子供たちにとってこういうスタイルの学習塾も選択肢の一つとしてあると思うのですが、全員が同じ学習スタイルを希望しているかというと、そうでもないと思います。 例えば、学校に行けない不登校の子供や軽度の学習障害の子供のような様々な困難を抱えている子供も勉強をしたいという意欲はあります。ですが民間ではそういった子供まで十分にサポートしきれていないのが現状です。 そこで自由塾としては、昭和の時代に存在した個人がやっている学習塾のように、気軽に先生に聞ける、自宅ではちょっとやる気が出ないのでそこに行って教えてもらいながら少し勉強をする、といったスタイルの塾として活動をしており、この部分も一つの特徴だと思います。


新型コロナウイルスによって活動に変化はありましたか?

やはり深刻な影響がありました。緊急事態宣言が発令され登校が制限された期間はそれまでのような形式での学習は全くできませんでしたし、もちろん合宿やイベントなどの課外プログラムも実施できませんでした。 そのため 、その時期はパソコンやタブレットなどオンラインで学習に参加してもらう形式で実施しました。
ただ、この自由塾の良さは、勉強だけでなく休憩時間にはみんなでカードゲームをやるなどコミュニケーションを取り合うという側面もあるので、現在はコロナ対策をきちんとした上で、学習支援を行っています。


「困っている子供がいたら、大人が助ける」という当たり前の社会をつくる。

今までで印象に残っていることはありますか?

自由塾に来てしばらくたってから勉強をものすごく頑張り始めた子がいました。 急にやる気が出た理由を聞いたところ、その子はスタッフがボランティアで来ているとなんとなく分かったようで、学生の先生は仕事だから僕たちに関わっている、一方、社会人の先生は仕事があって大変なのになぜ時間を使って僕らに勉強を教えてくれるのだろうと疑問に思ったそうです。 忙しい中で教えてくれているのであれば教えてもらっている僕らもきちんと勉強に取り組まなければいけないと思ったことが頑張る原動力でした。 このように大手民間の学習塾と違い、NPO法人が行う無料学習支援ならではのモチベーションを与えられたことが非常に印象深かったエピソードでした。


学習支援の様子
学習支援の様子


学習支援の様子

今後力を入れていきたいことはありますか?

現在大田区内に拠点が10か所あるのですが、大田区は23区で一番面積が広い区なので、子供たちが電車に乗らず自転車や徒歩で通える場所に少しずつ拠点を増やしていきたいと考えています。 拠点をどのように確保するかという問題もありますが、例えば夜に営業していないカフェや、利用していないオフィスの会議室を教室として開放していただくなど、今までも地域の協力を得てやってきているので、今後もそういった形で協力を募りたいと考えています。
また、中学生時代をここで過ごした子供も一部の子を除き高校に入学すると辞めてしまう子供が大半です。 もちろん卒業してからもいつでも遊びに来ていいよと言っているのですが、入学後は来ても後輩が勉強していると思っているのか、遠慮して来ません。 そこで、コロナ禍なのでどこまでできるかは分かりませんが、元々ここにいた子供たちに対して、学習ではなく、例えば定期的に子供食堂などと連携して、そこに来てもらうといったような気軽に交流できる場を作っていく必要があると感じています。
これからも様々な困難を抱えている子供も含めて気軽に学習できる場を提供していきたいですね。


NPO法人ユースコミュニティーとボランティアの皆さん
NPO法人ユースコミュニティーのスタッフと
学習支援ボランティアの皆さん

NPO法人ユースコミュニティー ホームページ
https://www.youthcommunity.net/
NPO法人ユースコミュニティー ブログ
https://youthcomikegami.hatenablog.com/