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イベントレポート

平成31年度「子育て協働フォーラム」

令和元年11月22日(金)10:00~17:00
東京ウィメンズプラザ

「つ・な・げ・よ・う 子育て支援の輪」をテーマとした子育て協働フォーラムが、11月22日(金)に東京ウィメンズプラザで開催されました。当日は、子育て支援に関連する企業やさまざまなNPO団体をはじめ、子育て支援に興味のある個人の方などが参加しました。

午前の部では基調講演、パネルディスカッションが行われ、続く午後の部では参加型のグループワークやセッション、名刺交換会が行われました。

主催者挨拶

東京都福祉保健局の桑田朋子氏による主催者挨拶

<講演>
『みんなの得意を集める子育て ~『ちょっとたすけて』が言える地域で子どもは自分らしく育つ~』

登壇者:萩原なつ子氏(特定非営利活動法人日本NPOセンター 代表理事)

立教大学の教授でもある萩原氏は、両親や祖父母の子育て、そして自身の子どもや孫の育児経験の実例をあげながら、地域での連携・協働による支援のあり方を具体的に考えるヒントやネットワークを広げる機会について話しました。

基調講演

子育てにおいて、子どもが多様な大人との出会い、親以外の考え方や生き方を知ることが大事であるとし、家庭だけでなく、地域全体で子どもを育てる必要があり、そのために人と人とのつながりをどう復活させ、充実させるかが重要と話します。

また、母親の育児不安や孤立など厳しい子育ての現状や実態を踏まえ、子どもを取り巻く環境や居場所づくりも大切であると述べました。

子育て支援の課題として、支援者に対する支援や支援者組織のネットワークづくりの重要性をあげ、講演の中で参加者に、両隣・前後の人と手をつなぐよう呼びかけ、人とつながることを体感するパフォーマンスも行いました。

基調講演

緩やかなネットワークの結び目が協働の極意であるとし、人とつながることでネットワークを広げ、「助けて」と言える共助社会、連携・協働の推進のために

  • 求援力…「助けて」と言える力
  • 受援力…支援を受け入れる力
  • 支援力…ニーズに応じた支援ができる力
  • 応援力…できることをできる範囲で
という4つの援力が今後さらに必要となり重要であると掲げました。

最後に、2030アジェンダの国際目標「誰一人取り残さない」という言葉を紹介し、そういった社会をみんなで作っていきたいですね、と締めくくりました。

<パネルディスカッション>
『社会全体で行う子育て~東京を「子育てしやすい活力ある都市」として発展させるために~』

登壇者:吉田恭子氏(府中市市民活動センタープラッツ館長・NPO法人エンツリー理事長)
    髙田 亮氏(一般社団法人夢らくざプロジェクト代表理事)
    内海千津子氏(NPO法人子育てママ応援塾「ほっこりーの」代表)
 進行:萩原なつ子氏(特定非営利活動法人日本NPOセンター 代表理事)

パネルディスカッション

最初に、それぞれの自己紹介と活動内容や取り組み、どんな課題があるかについて紹介をしました。

女性が社会参加をするには、子育ての支援も必要であるという理念のもと「大人も子どもも笑顔でいられる社会」の実現を目指し、ママたちが安らげる場の提供を行っている吉田氏。中間支援の団体として、各セクター同士の協働ではなく、今必要なのは世代間の協働なのでは、と課題を述べました。
悩みの見えなさが分断を生じさせているのではとし、お互いにもっと置かれている状況を詳しく知ることで解消へ向かうのではと話しました。

次に、小学生を中心に子どもの職業体験プログラム「おしごとなりきり道場」「おしごと弟子入り道場」を開催している髙田氏は、子どもたちに仕事の選択肢を知ってもらい、いろんな可能性を広げてもらいたいと話しました。そのため、参加できていない子どもたちに対してどう平等に提供していくかが課題であると述べました。

子育てサロンの主催をしている内海氏は、自分が欲しいと思っていた居場所づくりから活動を始めたと話し、孤立しがちな子育てにママの橋渡しとしてコミュニティをつくり、みんなで子育てできる地域をつくり、SOSを発信しやすい社会を目指していると話しました。

パネルディスカッション

「協働に向けて、多世代の世代間交流はどうしていますか」という萩原氏の問いに対し、内海氏は若いママたちと年配の方たちで「困りごとゲーム」としてお互いに困っていることを出し合ってみたところ、子どもの短時間の預け先に困っていたママと、預かれるおばあちゃんのマッチングをすることができたという事例をあげました。
また、「どのように活動を広めていきましたか」という質問に髙田氏は、行政がのってきやすい企画を考えて実績を重ねた上で、小学校などにアピールしていくという事例を紹介しました。

「企業や行政とどのように連携していますか」という問いには、周りのネットワークのつながりで広めていったり、講座などのコンテンツを入り口に集客し、少しずつ集まっていったとそれぞれ話し、いずれも信頼と実績を重ねていくことだと語りました。

吉田氏は、ママたちの支援から男女がいきいきと輝ける社会、大人がニコニコしている社会を目指すとし、そのためにいろんな人ができることをして欲しいと述べました。

パネルディスカッション

最後に、萩原氏が、みんなで子育てができるよう、地域の一人ひとりに居場所と出番がある社会をつくっていくことだと思います、と締めくくりました。

<事業説明>
子育て応援とうきょうパスポート

登壇者:平野嘉明氏(東京都福祉保健局)

子育て応援とうきょうパスポートの概要や仕組みについて説明を行いました。

事業説明

  1. 概要…18歳未満の子どもがいる家庭や妊婦が「パスポート」を提示することで、協賛する地域の店舗等が、おむつ替えスペースや商品の割引等のサービスを提供します。
  2. 協賛店等…約4,701か所(平成28年から令和元年11月1日時点)。
    ※マクドナルド、NTTドコモ、ビッグエコー、デニーズなどが参加しています。
  3. 仕組み…協賛いただける店舗から東京都へ申請をして、登録となりましたら協賛ステッカーを交付します。それをお店などに貼っていただきます。利用者はパスポートを取得し、協賛店で提示することで、サービスを受けることができます。

(サービス例)

  • 粉ミルクのお湯の提供
  • おむつ替えスペースの提供
  • キッズスペースの提供
  • 商品の割引
  • ポイントの付与 など

平野氏は「理想としましては、協賛いただける店舗などが増えていき、街中で協賛ステッカーをたくさん目にすることで、東京は子育てにやさしい街なんだなと思えるようにしていきたいです」と話しました。

子育て応援とうきょうパスポート
https://kosodate.pass.metro.tokyo.jp

子育て応援とうきょうパスポート

協働交流・促進サイトの利用説明

登壇者:森川彩乃氏(司会)

続いて「とうきょう子育てスイッチ」協働交流・促進サイトの利用説明を行いました。こちらのサイトを利用することにより、

  1. 自分のページやイベント登録で、他の団体に活動をアピールすることができる
  2. 他の団体の活動や情報を見て、協働相手を探すことができる
  3. 掲示板に登録したり「いいね」をすることで、他の協働会員と交流することができる
といったメリットがあり、協働会員の方がより活動の場を広めることができるサイトとなっています。

詳しくはサイトをご確認ください。
https://kosodateswitch.jp/kyodokoryu/

この機会に、協働会員に登録していない団体様はぜひご登録ください。

ここまでで午前の部が終了し、一旦休憩となりました。
そして午後の部ではグループワーク、グループディスカッション、名刺交換会が行われました。

<グループワーク>
『強みを活かし、弱みを補う、Win-Winな協働を実現するために』

講師:髙田 亮氏(一般社団法人夢らくざプロジェクト代表理事)

自己分析や上手な団体 PRの方法など、すぐに実践できる内容をそれぞれに用意した3つのクラスに分かれて「協働」に役立つグループワークを開催しました。

「自身の活動、目的を明確に伝えよう」をテーマに各テーブル男女4人程度に分かれ、自己紹介をしました。
まず「あなたの強みは?」と問いかけ、企業や団体と協働する場合、どんなメリットがあるかフセンに書き出し、自分にできることなどをプレゼンし、グループで話し合います。

次に、「あなたの弱みは?」と続き、企業や団体が抱える課題にはどんなものがあるか、その課題に対して持っている強みや弱みをマッチングすると話しました。

髙田様

『本当の自分を知り、誰と協働すればよいのかを分析』

講師:赤星裕美氏(NPO法人彩結び 共同代表)

いろむすびcafeの運営に携わり、「give and share」な暮らしをコンセプトに、大人から子どもまで集まれる地域に開かれた場所をつくっている赤星氏は、現在2拠点目を準備中であると語りました。

カラフルな色鉛筆と、オリジナルのいろどりワークカルテが用意され、各自、自己紹介や自分の好きな場所など自己分析を書き込んでいきました。強みと弱み、課題などをシートいっぱいに書き込み、作業を通して感じたことなどを発表しました。
ワークを通じて自分を見える化し、数値化することで次のステップへ進んでいけると話し、自分自身がこの現実を創っていると締めくくりました。

赤星様

『団体/企業向け 上手な団体PRでピッタリな協働相手をみつけよう!』

講師:宮城明子氏(NPO法人自由が丘ママの会 代表理事)

自身の子育て経験から、ママが外に出られる場所を作りたいと考え、自由が丘ママの会を設立した宮城氏。「オンリーワンのママでいよう! 自分らしさを大切にするママを応援します」と題し、4人ほどのグループで自分や企業のプロモーションやキーワードをフセンに書き出し、フセンを見ながら意見を出し合いました。さらに他のテーブルを回って自分だったら何を知りたいか伝え合いました。

このようなワークから、みんなが知りたいことや自分が伝えたいことを整理し、HPや SNSでの情報発信に役立つ自分のキーワードを見つけていきました。

宮城様

名刺交換会

会場に集まった皆さんで名刺交換が行われ、各企業や団体の資料や配布物を見たりしながら交流が行われました。

名刺交換

終盤に差し掛かって名刺交換会と同会場にて行われたグループセッションでは、少人数制で話し手を囲み、対話をしながらテーマについて理解を深めました。

<グループセッション 1>
「小さい規模の団体が、ブレイクスルーするためのプロセスとは」

赤星裕美氏(NPO法人彩結び 共同代表) 

自身の経験を交えながら、小規模団体の課題などについて話しました。小さな団体は、外部との交渉において値段を下げられたりすることがあるが、ひとつの団体が下げてしまうと、他の団体も同じことが起こってしまうため、業界全体を守るために値段をさげないことも大切であると述べました。
また、赤星氏が携わるコミュニティカフェの運営にあたり、内装などお金をかけずにやれば良いと考えていたけれど、子育て中のママのために非日常を提供したいと思い、きちんとお金をかけてカフェを作ったという経験も語りました。
最後に、自分が持っている思いを大切にし、自信を持ってどんな団体か言えることが大事であると伝えました。

赤星様

「上手な団体PRの方法について」

宮城明子氏(NPO法人自由が丘ママの会 代表理事)

まず、代表を務める自由が丘ママの会では、ホームページ、ブログ、Twitter、Instagramなどを開設していると話しました。会員は口コミから増えていくことが最も多く、イベントを開催し、顔と顔を合わせることでトラブルもほぼないと語りました。
「ママたちが笑っていれば子どもも幸せ。女性に笑顔になって帰ってほしい。『楽しかった』を家に持って帰ってほしい」と話し、そんなママたちがどんな情報が欲しいかなどイベントで直接聞くと述べました。メルマガを流すタイミングも、ママたちの意見を取り入れ、受信する子育てママの時間にマッチするよう工夫していると話しました。

宮城様

<グループセッション 2>
「NPOと行政・企業の協働の方法について」

萩原なつ子氏(特定非営利活動法人日本NPOセンター 代表理事)

長年の活動で、「 NPOとは何か」から説明をしてきたという経験を語りました。まず、自分たちの強みから何ができるか理解した上で、NPOは何をしているものなのか伝え、対話による相互理解が大事であると話しました。
行政や企業側が、NPOとやって良かったねという成功体験を重ねていくため、課題の発見から行政と一緒に始めることであると述べました。地域の困りごとの中から課題をあらい出し、優先順位を決めていきます。萩原氏は、委託は協働ではないと述べ、仕様書の段階から一緒に作るなど意識改革から始め、「協働委託」という形になることと締めくくりました。

萩原様

「アプローチから実現まで、協働が実現する流れとは」

髙田 亮氏 (一般社団法人夢らくざプロジェクト代表理事)

髙田氏の過去の経験に基づいたアプローチ法として、急な電話よりもまずはメールや問い合わせフォームに送る方法が望ましく、1通ずつ丁寧に作ることで信頼を築いていくと話しました。
おしごと体験イベントでは小学生を集客するため、名前の呼び方から子どもの対応まで共有するなど注意を払っていると述べました。イベント後は、報告書を作成し協働先に送り、内容を共有することで信頼や改善を重ね、次につながるとまとめました。

髙田様

参加者の興味は尽きることがなく、閉会直前まで議論が交わされ、盛会のうちにフォーラムは終了となりました。

とうきょう子育てスイッチのホームページは今年リニューアルし、より利用者様へ活動をPRしやすく、協働会員同士でのコミュニケーションも取りやすいサイトになっております。
いろんな団体とつながりたい、自治体や企業との出会いが欲しいと考えている協働会員の方は、ぜひ、サイトをご活用ください。

https://kosodateswitch.jp/kyodokoryu/