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イベントレポート

令和2年度「子育て協働フォーラム」

令和2年12月13日(日)10:00~15:30
東京ウィメンズプラザ

開始前会場

12月13日(日)、「子育て協働フォーラム」が東京ウィメンズプラザで開催されました。このフォーラムは、社会全体で子供、子育てを応援する機運を醸成することを目的としています。当日は、子育て支援に関連するNPO団体や企業の方をはじめ、子育て支援に興味のある個人の方、第1部に登壇する子供たちの保護者などが、来場とオンラインで参加しました。

 

第1部 子供シンポジウム
ティーンズ・アクションTOKYO 2020

座長:小森 伸一先生(東京学芸大学 准教授/学長補佐)
パネリスト:藤原 和博氏(教育改革実践家/第2部ゲスト講師)
      羽生 祥子氏(日経BP編集委員/子育て応援とうきょう会議委員)
      多田 博史氏(東京都福祉保健局少子社会対策部調整担当課長)
進行:小田 直弥氏(特定非営利活動法人東京学芸大こども未来研究所)

午前中の第1部では、「子供シンポジウム ティーンズ・アクションTOKYO 2020」が行われました。「子供シンポジウム」は東京都との共催で開催しており、小池百合子東京都知事からは、ビデオによる応援メッセージが届きました。

小池都知事

小池百合子東京都知事 ビデオメッセージ

 

続いて、中学生や高校生のコアメンバーが5つのグループに分かれて、本年8月より行ってきた調査や研究の成果を発表しました。

◆グループ1:私たちと都政をつなぐイベントを企画しよう!
親子関係や子育てに関わる課題を起点として、児童虐待や子供食堂の実態を調査し、そこから「トドケル -創ろう私たちの未来-」というイベントを提案。イベント「トドケル」で、子供たちの声を届ける(子供たちが日頃の悩みや親への感謝を伝えるステージをつくる)こと、地域の取り組みを届ける(ブースなどを設置する)ことで、子供と大人のコミュニケーションが生まれるのではないかと述べました。
パネリストの羽生氏からは、「トドケル」というイベントのタイトルが、直接的でわかりやすく、とても良いとの話がありました。

私たちと都政をつなぐイベントを企画しよう!

私たちと都政をつなぐイベントを企画しよう!

 

◆グループ2:どんな“まち”なら親子でお出かけしたくなる?
お出かけを、①気軽なお出かけ(公園/ショッピングモール)、②特別感のあるお出かけ(アミューズメント施設)、③障害児や病児のお出かけ(障害児や病児とその家族のための住宅施設)、④快適なお出かけのための交通整備という4つの観点から考え、親子でお出かけしたくなる「理想のまち」について発表。「理想のまち」の要素として、治安がよく、大人と子供の両方が楽しめるものがあり、地域全体に子供を育てる温かみのある雰囲気が大切だと述べました。
パネリストの多田氏からは、お出かけしたくなるまちづくりについて、場所にとどまらず、途中の交通、地域と幅広い視点での研究であり、特に地域の人とのつながりが希薄化している中で地域の人に着目したのが非常に良かったとの話がありました。

どんな“まち”なら親子でお出かけしたくなる?

どんな“まち”なら親子でお出かけしたくなる?

 

◆グループ3:家庭生活と仕事の両立を実現できる社会とは?
子育てに関わる困りごとの相談窓口や子育て支援サービスについてのアンケート調査などを分析し、困りごとを抱える個人と行政をつなぐためには、「子供が声を上げやすい環境」をつくることが必要なのではないかと提案。親だけでなく、子供が発信して解決できる環境を整えることで、間接的に、親も家庭生活と仕事の両立がしやすくなると述べました。 パネリストの羽生氏からは、「もっと子供を頼ってみる」という意見、子供、親、行政が三位一体となって進んでいくのが良いという考え方がとても参考になったとの話がありました。

家庭生活と仕事の両立を実現できる社会とは?

家庭生活と仕事の両立を実現できる社会とは?

 

◆グループ4:グローバルな時代、言語や文化の違いを理解し合おう!
国際交流は、地域のような小規模な単位で行うことが重要なのではないかという観点から、①いろいろな国の人が気軽に交流できる場所づくり、②異なる食文化を知ることができる定期的なイベントの開催、③日本語を母語としない子供や保護者交流のための環境・人的支援の必要性について提案。イベントや活動の発信方法として、子供たちに馴染みのあるSNSを活用することや、子供の英語学習支援に対する SNS からのアプローチの有効性についても述べました。
パネリストの藤原氏は、グローバルという切り口から色々調べての提案であり、グローバル=(イコール)英語を話せればよいということだけではないということを理解できる内容で良かった。より日本を知ることが大事だという話がありました。

グローバルな時代、言語や文化の違いを理解し合おう!

グローバルな時代、言語や文化の違いを理解し合おう!

 

◆グループ5:放課後改造計画! どうすれば放課後がもっと楽しくなる?
「放課後」の現状についてのアンケート結果から、子供たちが「行きたい」と思えるような新たな居場所を提案。子供からお年寄りまで、その地域に住む幅広い世代の人とつながることができるだけでなく、会話を楽しみながら飲食をしたり、思い切り身体を動かせたり、学習や新しい体験もできるような居場所が地域にあってほしいと述べました。
パネリストの多田氏からは、発表を聞いて、地域の居場所を充実させるにはそこで活動する職員だけでなく、異年齢・異文化の子供たちや地域の方が相互に教え合う、助け合うといった、多世代・多文化のコミュニティ、人とのつながりが重要であると改めて考えさせられたという話がありました。また、羽生氏からは、テレワークが増えているいまこそ、大人が放課後の活動に参加するよい機会だという話がありました。

放課後改造計画! どうすれば放課後がもっと楽しくなる?

放課後改造計画! どうすれば放課後がもっと楽しくなる?

 

グループ発表の後、座長である小森先生から、コロナ禍にSNSを活用して研究をまとめあげた子供たちに対し、今回のことをきっかけに持っている力をさらに伸ばしてほしいという総評がありました。

 

最後に、各グループの代表者に小森先生から修了証が手渡されました。

第1部修了証授与第1部修了証授与

発表に聴き入る来場者発表に聴き入る来場者

※各グループの発表資料はこちら

 

第1部「子供シンポジウム ティーンズ・アクションTOKYO 2020」は、動画で視聴できます。

 

第2部 ゲスト講演
つなげよう!地域社会-子供たちの未来を拓くために-

登壇者:藤原 和博氏(教育改革実践家/元リクルート社フェロー/杉並区立和田中学校元校長)

掃除、洗濯、車の運転などのAI化に触れながら、これからの時代に求められる人材のスキル「情報編集力」についての話がありました。
情報編集力とは能動的に情報を編集する力。状況に応じて他者を納得させられる答えを導く力で、無限に修正と実行を繰り返し、最後に行動に対する責任をとる人が情報編集力のある人となる。情報処理力の必要な分野はどんどんAI化されていくため、情報編集力を鍛えることが必要だと強く語りました。そして、「情報処理脳」と「情報編集脳」を行き来して新しい発想やアイデアを生み出すことが大切で、アイデアに付加価値を生み出せるかどうかは、「情報編集力」がポイントになると述べました。
最後に、情報編集力を鍛える経験に欠かせない「遊び」や「(親や先生ではない)ナナメのコミュニティ」の大切さに触れ、ナナメの関係に位置する協働団体へのエールで講演を締めくくりました。

藤原 和博氏

藤原 和博氏

 

第3部 パネルディスカッション
子供の想像力と未来を育む、協働プランを考えよう。

登壇者:坂口 友紀子氏(NPO法人 国際自然大学校 理事)
    海野 千尋氏(NPO法人 ArrowArrow  代表理事)
    植原 正太郎氏(NPO法人 グリーンズ 事業統括理事)
    八坂 貴宏氏(NPO法人 コヂカラ・ニッポン 理事)
ファシリテーター:藤原 和博氏(第2部ゲスト講師)

各活動内容や取り組みについて自己紹介をしながら、第1部での子供たちの発表を聞いた感想や意見を述べました。
坂口氏からは、国際自然大学校という活動を行っていることから、グループ1の「私たちと都政をつなぐイベントを企画しよう!」やグループ5「放課後改造計画!どうすれば放課後がもっと楽しくなる?」などは、ぜひ一緒にイベントを行いたいという話がありました。
海野氏からは、女性の働き方の選択肢を増やす活動を行っているため、グループ3の「家庭生活と仕事の両立を実現できる社会とは?」に大変関心を持ち、子供たちの意見をもっと聞いてみたいとの話がありました。
八坂氏からは、グループ2の「どんな“まち”なら親子でお出かけしたくなる?」のアイデアにあったような、商業施設で本番実践さながらの職業体験を行い、社会へ出るきっかけづくりのお手伝い(活動)をしている立場から、今回の子供シンポジウムについて、発表で終わるのではなく、意見を聞いた大人が動いて、次のステップに進めることが大事だとの話がありました。
植原氏からは、自身の子育てについて、東京は子育てしたくてもしづらい環境になっており、預ける場所はあるけど遊べる場所が少ないという話がありました。リモートワークが進む中、自然豊かな子育てしやすい場所へ移住を考える方もいるという話がありました。それを聞いた海野氏からは、どこに住むか、どこで働くかは自分たちで選択できる時代になっているので、親子で話し合うのもいいかもしれないと述べ、都会と田舎の2つの小学校に通えるようなしくみにするのはどうかと提案しました。
最後に藤原氏より、これからの子育てについて、NPO団体を含めた地域の様々な団体や個人の皆さんが活動をして、社会全体で子育てをする環境に変えていかないといけないと決意を新たにし、第3部のパネルディスカッションを終演しました。

パネルディスカッション

パネルディスカッション

 

第1部の子供シンポジウムから、第2部ゲスト講演、第3部パネルディスカッションまで、「東京の子育て」について世代を越えて考え、意見を交わした今年度の「子育て協働フォーラム」。コロナ禍ではありましたが、参加者や登壇者皆様の協力を得ながら、無事に終了しました。